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東海摂食栄養フォーラム

第2回東海摂食栄養フォーラム  2016年9月1日12:00受付開始

~スキルアップでつながる地域と職種~

東海3県の摂食・栄養に関わる研究会の合同開催!

[主催]東海HEI和マニア

[大会長]武内有城(たけうちファミリークリニック院長)

[共催]東邦ガス株式会社 [後援]愛知県栄養士会

*公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けています

日時:2016年12月3日(土) AM10:00~PM17:00

会場:今池ガスビル(名古屋市千種区今池1-8-8)

9階ガスホール、7階プラチナルーム、4階キッチンスタジオ

受付:9:00~

参加費:1000円 実習は1講座500円

東海HEI和マニアとは

愛知・岐阜・三重県で活動する食支援に関わる団体である 東海嚥下食研究会・在宅栄養支援の和・嚥下研究会食楽・岐阜KAIGO食・とよた嚥下食の○(輪)・坂井歯科医院 が地域の食支援の向上を目的とし結集した会です。

今回のフォーラムの特徴

❤セミナーでは吉田貞夫先生、荒金英樹先生をお招きし地域医療連携や食支援に役立つお話をご講演いただきます。❤教育実習では嚥下障害の勉強を始めたばかりの在宅や施設スタッフの方を対象とした初心者向けの実習を3コマ企画しています。各講師のほか摂食・嚥下障害看護認定看護師などプロフェッショナルのスタッフがサポートしますのでご安心ください。❤調理実習は施設や病院などの給食従事者向けと在宅で実現可能な嚥下食作りを目的とした在宅向けとテーマを分けました。出来上がった料理の物性をSTや認定看護師が評価確認することで嚥下調整食の正しい基準も習得できる実習です。❤シンポジウムでは東海HEI和マニアの各研究会の取り組みと地域連携の課題について熱い思いをディスカッションします。❤嚥下食の介助のパンフレット配布予定です。

スライド2

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■お申込みについてのお願い

・時間が重複しないように選択してください(一つのみ選択でも可)。

講座DEFGHは実習のため参加費に加え別途\500/講座必要となります。

調理実習GHはどちらか一方のみのご参加となります。

・お申し込みは先着順です。各講座が定員に達した場合、その講座の受付は終了とさせていただきますのでご了承ください。

・ご参加いただけない場合はご連絡させていただきますのでお含みおきくださいますようお願いいたします。

■キャンセルの場合

・お申込み後、キャンセルされる場合は必ずご連絡ください。

■フォーラム当日のお願い

・9階ガスホール内は飲食禁止となっています。ガスビル内もしくは近隣の店舗をご利用ください。

・お弁当は用意しておりませんので、各自ご用意をお願いいたします。(7階プラチナルームを食事スペースとして開放します)

・公共交通機関をご利用ください。

【個人情報の取り扱いについて】

お申込みいただきました個人情報は、本研究会のみで使用し、その他の第三者に提供することはありません。

適切な安全措置にて保管し使用目的終了後はすみやかに破棄いたします。

 

講演・シンポジウム

A)(仮)「高齢者の栄養管理」        10:30~12:00

沖縄メディカル病院 副院長

金城大学 客員教授

医師 吉田貞夫 先生       [共催 日清オイリオグループ㈱]

B)「食を支える京の多職種・異業種連携 第2幕」13:15~15:00

愛生会山科病院 消化器外科部長 京滋摂食・嚥下を考える会代表

医師 荒金英樹 先生[共催 アサヒグループ食品株式会社

和光堂事業本部]

C)シンポジウム 「スキルアップでつながる地域と職種」

15:30~17:00

演者:東海HEI和マニアの各メンバー

奥村 圭子先生 在宅栄養支援の和 医療法人八事の森 杉浦医院「地域ケアステーションはらぺこスパイス」

徳永 佐枝子先生 東海嚥下食研究会 東海学園大学

伊藤 育子先生 岐阜KAIGOを考える会 大洞岐協苑

福元 聡史先生 とよた嚥下食の○(輪) トヨタ記念病院

坂井 謙介先生 いりなか在宅歯科医療連携研究会 坂井歯科医院

青山 寿昭先生 嚥下研究会食楽 愛知県がんセンター中央病院

座長 たけうちファミリークリニック   院長 武内有城 先生

豊田厚生病院           医師 渡口賢隆 先生

教育実習 全て初心者向け 実習費 1講座につき500円

× D)「やってみよう!はじめての嚥下評価」~実習でわかりやすく教えます    10:00~12:00

定員48名

旭労災病院 言語聴覚士         山本 美和 先生

西部医療センター言語聴覚士       立花 広明 先生

「嚥下障害の評価って難しそう」と思っている初心者の方が対象です。基本的な評価方法(反復唾液飲みテスト、改訂水飲みテスト、フードテスト、頸部聴診法)を実際に体験します。そして、検査の結果と、実際の観察項目から、どんなものなら食べられるのか?を嚥下の5期に沿って、考える方法を学びます。第1回で好評だった丁寧な指導に加え、実際に喉の奥を見てみる嚥下内視鏡ライブも企画。また、今回はリスク管理についても学べます。

× E)「即実践!口腔機能の低下を防ぐコツ」~スッキリつるつるプロの技をあなたへ~           15:30~17:00

定員36名

坂井歯科医院 院長        歯科医師 坂井謙介 先生

大垣女子短期大学          講師 三角洋美 先生

がんばって口腔ケアするけど、今一つうまくできない!その上嫌がられるという方にオススメ!! 明日から使命感をもってできる!やる気を維持できる!自分の口の中も相手の口の中もつるつるさっぱり!を目標に実習しましょう。また口腔機能の低下をVE、VFを使って診断できない人、使ってもらえる環境にない方もたくさんいますよね。舌、唇、肩や頚にふれて、その動きや力から口腔機能低下をいち早く判断し、機能低下を防ぐコツもお伝えします。

× F)「再確認!嚥下障害のある人の食事介助」~安全!安心!スプーン介助~ 13:15~15:00

定員48名

半田市立半田病院 歯科口腔外科 歯科医師 荒木一将 先生

摂食嚥下障害認定看護師 松田朋子 先生

食事介助って、食事をたべさせてあげるってことでしょ?と思っている方は参加必至。摂食嚥下障害のある方は、食事に時間がかかるものですよね。車椅子に乗ったままで、食事のペースを上げるため、口の中のものを飲み込まないうちから、次々と食べ物を口へ運んでしまうと誤嚥の恐れが…。

そうです!

正しい姿勢や適切な介助方法で食べさせないと誤嚥の可能性は高まるんです。今回は安全な食事介助の方法を実演や実技を交えてお伝えしちゃいます。

調理実習実習費 1講座につき500円(一人1講座でお願いします)

定員35名

G)「ワンランクアップの嚥下調整食」 施設・病院向け (エプロン・布巾持参) 10:00~13:00

東海学園大学

准教授 徳永佐枝子 先生

トヨタ記念病院

管理栄養士 福元聡史 先生

どなたでもご参加できますが、病院や施設などですでに嚥下調整食を導入しワンランクアップを目指す方を対象とした調理実習です。嚥下調整食学会分類1j~3を作ります。少量で高カロリー摂取を目指すポイントや酵素軟化法のコツ、見た目にもこだわり食欲をそそる嚥下食作りのコツを学びます。給食管理をする上で必須の給食経営の視点からもアプローチしていきます。実習後にはSTらによる物性評価で嚥下調整食の基準も確認できます。

調理実習の写真

H)「簡単おいしい介護食」  在宅向け(エプロン・布巾持参)

14:00~17:00

名古屋記念病院

管理栄養士 田所史江 先生

株式会社セカンドエッグ

管理栄養士 竹味由芙子 先生

在宅訪問時、在宅復帰時などの指導に活用できる調理実習です。嚥下調整食学会分類3,4を作ります。在宅で継続的に作るポイントは市販品や加工品を利用して簡単に短時間でおいしい食事ができるということです。「これならできそう!やってみよう!」と思われるレシピを伝授。参加の職種は問いません。実習後にはSTらによる物性評価で嚥下調整食の基準も確認できます。

企業展示会場にて武内有城先生(たけうちファミリークリニック院長)の特設ブース!「出張絶対やる気のNST」 日頃のお困りごとをスッキリ解決する絶好のチャンスです。ご来店お待ちしています。

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参加を希望される方は次のフォームでお申し込みをお願いします。

2016年9月10日 教育実習の受付は終了しました!
2016年9月25日 調理実習Gの受付は終了しました!!
2016年9月27日 調理実習Hの受付は終了しました!!!

2016年10月30日12:00より、各実習の追加募集があります(E以外)。ご検討ください。このため、キャンセル待ちの受け付けは終了しています。

2016年10月30日12:00 下記の実習再募集開始しました!!!!

2016年10月30日18:00 教育実習しめきりました!!!!!

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腎不全に必要なアミノ酸は?

1.窒素代謝と窒素平衡
生体のタンパク質、アミノ酸必要量は、正常な生理機能を維持するための各臓器の代謝的窒素必要量(Metabolic Demands:MD)とタンパク質、アミノ酸の摂取量とその有効利用率により規定される。通常の栄養摂取(Feeding State)では図1の平衡関係が成り立つ。摂取した窒素は、血中に存在する遊離アミノ酸プール(Free Amino-Acid Pool)と体構成タンパク質プール(Body Protein)との間でタンパク代謝回転(protein turnover)を調節し平衡関係を維持している。MDのうち生理機能維持に伴う不可避的タンパク喪失量(Obligatory Protein Loss:OPL)は、臨床実験により健常成人男性では0.34g/kg/日とされている。1日の最低タンパク投与量は、食餌のタンパク質利用率を70%として0.57g/kg/日(安全域20%+利用効率130%)と考えられている。飢餓状態(Fasting State)では、MDを充足するために、生体外からの窒素補給が減少した分を体タンパクの分解により補充しタンパク代謝回転を維持するため、体構成タンパク量の減少を生じる。生体内タンパク量が70%程度に減少すると不可逆的な生理作用の障害が発生し死亡に至る。

2.窒素平衡(Nitrogen Balance:NB)理論
NB=窒素摂取量−窒素排泄量
窒素はタンパク質の約16%を占める。窒素(g)=タンパク質(g)/6.25
1gの負のNB=6.25(g)の体タンパクの喪失=32gの除脂肪体重の喪失
尿中の窒素排泄量は全排泄量の約80%を占める。全排泄量(g)=尿中排泄量(g)×5/4
糞便や表皮などの測定不能な窒素排泄を加味したもの。
全排泄量(g)=尿中窒素排泄量(g)+推定非尿中尿素窒素喪失量(3.5〜4g/日)

3.腎不全の評価法
日本腎臓学会による慢性腎機能障害の区分では、Ccr 30mL/min以下(血清Cr 2mg/dL以下)を腎不全期、Ccr 10mL/min以下は透析が必要な尿毒症期。急性腎不全は進行が急速なためBUNやCrの上昇は遅れてみられる。腎不全においてはタンパク・アミノ酸代謝異常が存在し、異化亢進状態にある。

4.慢性腎不全に対する栄養療法
・保存期には透析導入を遅らせるため、0.6〜0.8g/kg/日のタンパク摂取制限と35kcal/kg/日の十分なエネルギー補給をめざし、低栄養による体タンパク量の減少を防ぐ。
・ネフローゼ症候群では高タンパク食が推奨されてきたが、最近では低タンパク食が推奨されている。
・透析患者でも体タンパク量の減少を目指すため35kcal/kg/日程度の十分なエネルギー投与が必要であり、最近の高性能透析膜ではタンパクの喪失が大きいため1.2g/kg/日程度のタンパク摂取が必要とされる。CAPDではさらにタンパク喪失が多いので1.3g/kg/日必要とされる。

5.急性腎不全に対する栄養療法
・間接熱量計で消費エネルギーを測定し、ほぼ同量、または10%程度上乗せしたエネルギー量を投与。
・急性腎不全では生体侵襲に伴うカテコラミン、グルカゴン、ステロイドなどのストレスホルモンの分泌により末梢組織でのインスリン抵抗性が上昇し高血糖となるためインスリンで150mg/dL以下となるよう血糖コントロールする。
・タンパク異化の亢進、タンパク合成の低下がみられ、異化亢進により筋タンパクから利用されやすいBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)がエネルギー産生のために動員され、除脂肪体重が減少する。通常、腎不全用アミノ酸輸液が使用される。アミノ酸の推奨投与量は、NPC/N比を高くすることが推奨され、300〜500を目安とするが、十分な検討はされていない。
・急性期をすぎ、同化期に入った際は通常の組成のアミノ酸製剤への変更も考慮する。
・脂質は我が国では長鎖脂肪酸(Long Chain Triacylglycerol:LCT)のみが使用されており、過酸化脂質の形成や液性因子の産生促進、呼吸障害や凝固障害などの問題が指摘されているため、急性期にはエネルギー源として使用せず必須脂肪酸補充の目的で少量のみ使用。急性期を脱したらエネルギー源の1つとして考慮してもよい。

6.腎不全用アミノ酸輸液
・1950年代にRoseにより体内で合成されない必須アミノ酸が同定され1980年代に輸液に応用され、必須アミノ酸を主体としHisを配合していたが、よく高アンモニア血症を起こしていた。1990年代に異化を防ぐBCAAの配合量を高くし尿素回路に必要なArgを配合、腎不全時の含硫アミノ酸代謝異常を考慮しメチオニンを減量しアミノ酸インバランスを考慮した改良型のアミノ酸輸液が開発された。

7.ESPEN Guidelines on Parenteral Nutrition : Adult Renal Failure
・The optimal amount of protein supplementation in ARF patients is unknown.
・ARF is a highly catabolic state, and normalized protein catabolic rates(nPCR) of 1.4-1.8g/kg/day have been reported in ARF patients on artificial nutrition. In uncontrolled interventional study, only 35% of patients achieved a positive nitrogen balance with nutrient intakes of 2.5g/kg/day of protein and 35kcal/kg/day of energy.
・It should be emphasized that hypercatabolism in ARF patients is unlikely to be overcome by increasing protein or amino acid intake alone!
・The nutritional requirements of stable CKD patients, an energy intake >30-35kcal/kg/day is associated with better nitrogen balance. ESPEN recommendations of protein supply in adult patients with non-dialysis CKD: GFR=25-70mL/min 0.55-0.60g/kg/day, GFR<25mL/min 0.55-0.60g/kg/day or 0.28+EAA(essential amino acids).
・ESPEN recommendations of protein supply in adult patients with routine hemodialysis: 1.2-1.4g/kg/day(energy supply 35kcal/kg/day)
・Standard amino acid solutions can be used for IDPN in non-acutely ill malnourished HD patients(C). The energy supply should combine carbohydrate and fat(C). The use of specific parenteral solutions is not yet supported by controlled data.

【参照】
コメディカルのための経腸栄養ハンドブック.(日本静脈経腸栄養学会)
ESPEN Guidelines.
輸液・栄養の第一歩.(大塚製薬)

 

抜粋したデータをどう読むかは、しばし検討中です。

薬剤師ブログ始めまーす

名古屋記念病院 薬剤部には、薬剤師が16名勤務しております。
調剤・薬務だけではなく、毎日病棟に常駐し患者さまのお役に立てるよう精進しております。

NSTの担当は3名でしたが、2011年度から2名増員と1名復職で6名体制となる予定です。現在はNST加算が算定できる体制を整えて業務を行っていますが、算定しておりません。
医療財源に優しい医療を提供しています。

なお、薬剤部には日本静脈経腸栄養学会認定NST専門療法士は4名所属しております。

みなさまのお役に立てるよう頑張っていきますので、よろしくお願いします。

免疫賦活・調整栄養(Immunonutrition)について

1. はじめに

近年、患者の生体防御能を改善し感染症を予防する栄養法として免疫増強栄養法(Immunonutrition、イムノニュートリ ション)が注目され、外科手術やICU管理に導入され効果をあげています。海外での多くの大規模臨床試験にて、手術患者の感染症などの合併症の減少、在院 日数の短縮、死亡率の軽減、医療費の削減が示されています。その歴史は、1970年代にChandraによって栄養は免疫能の維持に不可欠であるとの報告 にはじまり、80年代にアルギニン、ω-3系脂肪酸、核酸、グルタミンなどの栄養成分の生体防御機能への効果が明らかにされ、90年代に臨床試験にてその 効果が証明され、2002年に日本でも正式に導入されました。

2.  Immunonutritionの基礎

免疫能・生体防御能は栄養状態に影響される。
適切な栄養補給は免疫能を改善する。
免疫能を増強させる特殊な栄養療法がある。

1) 経腸栄養法による効果
・ 腸管の細菌に対するバリア機能の維持
(バクテリアル・トランスロケーションの予防)
・ 粘膜から分泌されるIgA(免疫蛋白)の分泌促進による感染防御
(肺炎にも有効)
・ 腸管は全身の最大のリンパ組織であり(約50%)、サイトカインや
好中球活性化が維持
・ 蛋白・アミノ酸代謝の改善
・ より自然な形での栄養吸収と腸肝循環の維持
2) アルギニン(アミノ酸)
・ 成長ホルモンやプロラクチン、インスリンなどのホルモンの分泌増加
による免疫賦活、創傷治癒の促進
・ リンパ球や免疫組織の賦活(過剰になると逆に低下するので注意が必要)
・ 核酸、ポリアミンの合成に必須
・ 尿素サイクルの主要アミノ酸
・ グルタミン前駆物質
・ コラーゲン合成の賦活
・ 一酸化窒素(NO)の前駆物質であり、増加による組織循環や免疫能
の改善
3) ω-3系脂肪酸
(αリノレン酸、エイコサペンタエン酸:EPA、ドコサヘキサエン酸:DHA)
・ 侵襲時の過剰な炎症反応を抑制(プロスタグランジンと関係)
・ 細胞性免疫の増強
・ 抗凝固作用
・ 炎症性サイトカインの抑制
・ 腸粘膜のtight junctionを広げることによって栄養の吸収力増強
4) 核酸
・ 細胞合成から蛋白質の合成を増強
・ 細胞性免疫の増強
・ 腸管細胞の維持
・ サイトカインの産生増強
5) グルタミン(アミノ酸)   *アルギニン投与にても増加
・ 侵襲時に筋肉から大量に合成、放出され、腸や免疫担当細胞の
主要なエネルギーとなる
・ 腸管バリア機能の維持(バクテリアル・トランスロケーションの予防)
・ 免疫能の増強(リンパ球、マクロファージ、好中球、腸管免疫組織など)
・ 蛋白質代謝の改善
6) その他
食物繊維: 腸粘膜の萎縮予防、耐糖能改善、腸内細菌叢の維持
ビタミンA、C、E: 抗酸化物質
タンパク同化ホルモン: 蛋白質代謝改善、細胞性免疫・好中球の活性化
亜鉛 抗酸化作用
タウリン

3. Immunonutrition製剤

インパクト 250ml ヨーグルト味 : 味の素ファルマ
イムン 200ml 豆乳味(小麦ペプチド) : テルモ

  インパクト イムン
エネルギー 1kcal/mL 1.25kcal/mL
蛋白質 22% 20%
グルタミン ×
アルギニン
脂肪 25% 27%
ω-3系
核酸(RNA)
オリゴ糖 ×
食物繊維 ×
ビタミンC
ビタミンE

* 2006年 大塚製薬より「アノム」というポリフェノール配合の食品もでました。

4. Immunonutritionの臨床検討

<手術患者>
1992年
1)Dalyら:上部消化管悪性腫瘍手術患者において標準経腸栄養剤に比較して感染症の創の合併症が有意に低下(11% vs 37%)。
1995年
2)Dalyら:上部消化管癌患者に対する集学的治療中の経腸栄養補給 Ann Surg221;327-338,1995
食道・胃・膵癌手術患者それぞれ22、16、22例において高蛋白経腸栄養剤に比較してインパクト投与群が感染症と創の合併症が有意に低下し(10% vs 43%)、平均在院日数および再入院率や栄養不良合併率が有意に低かった。
1996年
3)Bragaら:胃・膵癌手術患者において経腸栄養剤およびTPNに比較して感染症重症度(sepsis score)が有意に低下。
1997年
4)Senkalら: 術後早期の免疫増強経腸栄養法、外科手術患者における臨床効果と費用の分析 Crit Care Med 25; 1489-1496,1997
上部消化管癌手術患者154名において術後早期にインパクト投与した群と普通の経腸栄養剤を投与した群の二つに分けて検討したところ、インパクト投与群において有意に術後第5病日以降の縫合不全や感染症の発生率が低下した。
5)Gianottiら:胃・膵癌手術患者において経腸栄養剤およびTPNに比較して感染症合併率の低下傾向と感染症重症度の有意な低下。
6)Heslinら: 食道・胃・膵・胆管癌手術患者に対してインパクト投与群と電解質輸液投与群を比較したところ、感染症と創合併率、在院日数に差はなかった。
* ただし、早期癌症例を対象としており、さらに術後投与量が500ml少なく、試験として不十分との指摘あり。
1999年
7)Syndermanら: 免疫賦活栄養剤による術後感染症の減少 Laryngoscope, 109;915-921,1999
頭頚部癌手術136例を術前術後にインパクトを投与する群、術後のみにインパクトを投与する群、術前術後に普通の経腸栄養剤を投与する 群、術後にのみ投与する群の4つに分けて検討したところ、インパクトの投与2群が有意に感染症の発生率が低く、術後の血清アルブミン値が高値となった。

同論文の和訳より引用

8)Senkalら: 上部消化管手術患者における周術期免疫増強経腸栄養剤の臨床および対費用効果 Arch Surg,134;1309-1316,1999
食道・胃・膵臓手術患者154症例に対して、インパクトを術前術後投与した群が、標準経腸栄養剤を投与した群に比較して有意に術後早期の感染症合併率を低下させ、合併症に対する医療費の削減効果の可能性が示唆された。
9)Bragaら: 癌手術患者における周術期免疫増強療法、第3相二重盲検試験の結果 Arch Surg,134;428-433,1999
インパクトを術前経口7日間および術後経腸7日間投与した102例は、他の経腸栄養剤を同様に投与した104例に比較して有意に術後の感染症の合併率と入院日数の短縮に効果を認めた。

インパクトのパンフレットより(味の素ファルマ)

2002年
10)Gianotti、Bragaら: 消化管癌手術患者における術前免疫増強療法の検討 Gatroenterologu,122;1763-1770,2002
消化管癌手術患者を従来の点滴のみ102例、インパクト術前投与101例、インパクト術前後投与102例に分けて検討したところ、術後感染症の発生および在院日数の短縮をインパクト投与群に有意に認めた。

インパクトのパンフレットより(味の素ファルマ)

11)Bragaら: 栄養不良の外科手術患者への栄養学的アプローチ Arch Surg,137; 174-180,2002
栄養不良のある手術患者を術後のみ標準的経腸栄養を行う群、インパクト術前投与さらに術後は標準経腸栄養を投与する群、インパクトを術 前後に投与する群をそれぞれ50例ずつとして検討したところ、102例に分けて検討したところ、術前後にインパクトを投与した群が術後合併症の発生を有意 に低下させ、副作用は変わらなかった。

インパクトのパンフレットより(味の素ファルマ)

12)Bragaら: 消化器外科における早期経腸栄養9年間の経験 Clin Nutr,21; 59-65,2002
消化管手術後患者の早期経腸栄養による副作用はインパクトあるいは他の経腸栄養剤に限らず約30%であり、腹部膨満、下痢、腹痛、嘔吐などがおこるが、投与速度を遅くするとか、一時的に中断することで対応可能で、9%が経静脈栄養に移行せざるを得なかった。

13)Bragaら: 術前に経口で免疫増強栄養剤を摂取することにより結腸・直腸癌手術患者の免疫能を改善し結果も改善する Surgery,132;805-814,2002
結腸・直腸癌手術患者を術前5日間経口にてインパクトを摂取した群50例、術前術後に投与した群50例、同様に標準の経腸栄養剤を術前 のみの群50例、全く投与しない対照群50例に分けて検討したところ、インパクト投与群において術後の免疫能、腸細胞の酸素化と循環が有意に良好であっ た。また、術後感染率もインパクト群において術前のみ12%、術前術後10%と他の栄養剤32%、対照30%と有意に低かった。

<外傷、重症患者>
1994年
1)Mooreら: 外傷患者に対してイムンを投与した群が成分経腸栄養剤投与群に比較して有意に腹腔内膿瘍発生率およびMOF発生率が低かった。

1995年
2)Bowerら: 外科手術後患者も含めたICU入室患者にインパクトを投与した群が標準経腸栄養剤を投与した群に比較して有意に在院日数が短縮した。死亡率は変わらなかったが、敗血症患者で感染症の合併率が優位に低下した。

1996年
3)Kudskら: 外傷患者においてイムン投与群が標準経腸栄養剤を投与した群に比較して重症感染症の発生率、在院日数、抗生物質投与日数が有意に減少した。

1997年
4)Saffleら: 熱傷患者に対してインパクト投与群と高蛋白経腸栄養剤投与群を比較したが死亡率、在院日数、感染症発生率は変わらなかった。

1998年
5)Atkinsonら: Crit Care Med 1998; 26:1164 ICU患者で早期経腸栄養に成功した例では、インパクトの投与でSIRSの日数、人工呼吸管理の日数、ICU滞在日数、在院日数などが有意に短縮した。

<レビュー>
1999年
1)Heysら: 外傷・熱傷・敗血症、外科手術患者に対する免疫増強経腸栄養法の検討 Ann Surg,229;467-477,1999
インパクト、イムンなどを投与した群は有意に感染症の合併率と在院日数を減少させるが、死亡率は変わらなかった。


Immunonutritionの新たな展開より (味の素ファルマ)2001年
3)Heylandら: 外傷・手術・重症患者に対して免疫増強療法は有効か? JAMA,286;944-953,2001
全体として、免疫増強療法群は感染症合併率を低下させるものの、死亡率は変わらなかった。さらに詳細な検討を加えると、インパクトが他 の免疫賦活栄養剤に比較して有意に感染症合併率と死亡率を低下させた。また、外科手術患者の方が他の疾患より感染症合併率を有意に低下させる効果があり、 他の疾患においても重症患者の方が軽症患者より有意に感染症の合併率を低下させる効果を認めた。


Immunonutritionの新たな展開より (味の素ファルマ)

2003年
4)Calder: 免疫増強療法は外科手術患者に有効か? BMJ,327;117-118,2003
アルギニン、グルタミン、分枝鎖アミノ酸、ω-3系脂肪酸、核酸を含んだ免疫賦活経腸栄養剤は、外科手術患者において感染症合併率と在院日数を減少させるが、敗血症などの重症患者においてその効果は未だ確立されていない。

5)アジア太平洋・ラテンアメリカ コンサンサス・パネル Waizbergら: Clin Nutr 2003; 22(suuple 1) : S81(abstract)
周術期のインパクトの使用は、対象群に比較して術後感染性合併症の発生率が約50%減少し、在院日数が約2日間短縮された。また、腹腔内膿瘍、創感染、肺炎、尿路感染、敗血症だけでなく、縫合不全も約50%減少した。


Immunonutritionの新たな展開より (味の素ファルマ)

5. Immunonutritionの投与法

インパクトの場合:
<術前投与>
・ 術前5〜7日間に4Lを目標に経口摂取する(1日1Lまで)。
例) 術前4日間1日4パック(1000ml)
術前5日間1日3パック(750ml)
術前7日間1日2パック(500ml)
* 術後の感染症の予防には術前投与が重要!!
術後直ちに経腸栄養療法を開始したとしても、腸管がそれに慣れるまでに大体3〜4日間かかるため、免疫賦活経腸栄養剤の効果が現れるの は術後5〜10日目になる。これに対して術後感染が発生するのは第4病日までとされているため、術前投与が有効となります。また、術後の早期経腸栄養施行 例の約20%に下痢などの副作用が発生することから、術前投与がより推奨されます。

<術後投与>
・ 術後6〜12時間で開始可能。目標投与量は1日1500ml(60ml/時間)。
術後1日目10mL/時間
術後2日目20mL/時間
術後3日目40mL/時間
術後4日目60mL/時間
* 15〜25%くらいに増量困難な症例があり、経静脈栄養に切り替える。
・ 患者が食事にて1000kcal摂取できるようになれば、中止。
術後5日間計2.5Lのインパクト投与にて終了。
術後7日間で終了し、標準経腸栄養剤へ変更。
* 他の免疫賦活栄養剤の投与基準は今のところない。

6. Immunonutritionのコンセンサス

Immunonutrition-enhancing enteral therapyに関するサミットミーティング(米国、2000年)

<免疫賦活栄養剤投与療法の適応>
1)消化管の予定手術患者
・ 血清アルブミン値3.5g/dl以下の食道、胃、膵臓、胆道手術患者
・ 血清アルブミン値2.8g/dl以下の大腸手術患者
可能な限り早期投与、かつ術前投与が最も効果的
2)外傷患者
・ ISS18以上: 身体の2部位の損傷で、1部位は重症
・ ATI20以上: 大腸、膵臓、十二指腸、肝臓、胃の損傷、または腹部多発

<免疫賦活栄養剤投与療法の相対的適応>
*結論的ではないが、効果的と思われるもの
1)予定手術患者
・ 慢性呼吸器疾患があり、長期の人工呼吸器管理が必要と思われる
大動脈再建手術
・ 栄養不良のある頭頚部手術
2)重症頭部外傷患者(グラスゴー昏睡スケール 8未満、JCS30以上)
3)熱傷 III度30%以上
4)感染症の合併の危険が高い人工呼吸器管理患者

<免疫賦活栄養剤投与療法の非適応>
1)5日間以内に経口摂取が開始予定
2)心肺モニター管理のみのICU患者
3)消化管が使用できない患者
4)蘇生が不完全
5)腹腔領域の血流不全
6)消化管出血
*重症感染症患者のコンセンサスは得られていないので慎重に

<免疫賦活栄養剤の投与時期>
1)開始時期は、可能ならば術前または侵襲前がよい。
2)問題なければ1200〜1500ml/日を投与し、最低50〜60%を投与する。
3)最低5日間以上、10日間以内の投与が好ましい。ただし、ICU患者は
ICU滞在中、感染症患者は感染症の危険がなくなるまで投与する。
JPEN、25: S61、2001

7. Immunonutritionの問題点

・ ICU重症患者における免疫賦活栄養剤投与群で死亡率が高いとの未発表も報告もある(Ross study)。可能性として、炎症を増悪させる可能性が指摘されている。すなわち、炎症の予防は可能だが、炎症の抑制は不明確かもしれない。但し、重症敗血症患者の死亡率を改善したとの報告もあり(Garbanら:Crit Care Med,28;643-648,2000)、今後の検討が必要。
・ 日本人における成績、特に大規模治験が施行されていないため、はたして日本人の体質にあう治療なのかエビデンスがない。ただし、EBMの観点から、最 近の日本における臨床治験は諸外国のデータは信用できるものとして新たな治験デサインを組んでいるため、根本的なデータはでない可能性が高い。
参考:
日本における学会発表の集計結果
インパクト 750〜1000ml/日   4〜7日間

日本における集計(帝京大学 福島亮治先生、味の素ファルマ)
・ 窒素代謝が低下している場合には、アルギニンを大量に投与するとアンモニアが上昇する可能性があるので注意を要する。

プレバイオティクス

プレバイオティクスの定義

大腸にそのまま到達して、腸内細菌の食品となってその増殖を助けるもの
1)オリゴ糖
2)食物繊維(セルロースなど)
3)デンプン
4)グルコン酸(酸性糖質) など

オリゴ糖は3〜10個の単糖類が結合した寡糖類であり、消化酵素によって消化吸収されずに大腸に到達して腸内細菌の餌となるものが注目を浴びています。特 に、オリゴ糖の消化酵素を有しているビフィズス菌、酪酸産生菌の増殖効果があり、腸内細菌の活性化が期待されます。また、高分子で立体構造を持つ食物繊維 も腸内細菌の餌になるだけでなく、すみかにもなります。

プレバイオティクスの働き

1)整腸作用
2)血中コレステロール低下作用
3)発がん抑制作用
4)炎症性腸疾患の改善
5)血圧降下作用
6)免疫賦活作用
7)カルシウム、マグネシウムの吸収促進など

プレバイオティクスの今後

近年、食生活の多様化から、イモ、マメ類の消費が減り、加工食品の増加に伴い、プレバイオティクスとなる難消化性糖類の摂取が極端に 減少しています。特に、高蛋白(動物性)・高脂肪食を摂取することが多く、これらは腸内の悪玉菌の作用で多くが発ガン物質などの有害物質を産生したり、脂 肪代謝異常も誘発します。例えば、大豆オリゴ糖を摂取すると、腸内のビフィズス菌(善玉菌)を有意に増加させるだけでなく、腸内環境を水分やpH(酸性環 境)などの面から整える作用が期待できます。

プロバイオティクス

プロバイオティクスの定義

プロバイオティクスは抗生物質(アンティバイオティクス)に対比される言葉で、生物間の共生関係を意味する生態学的用語を起源としています。プロバ イオティクスとは、「腸内細菌のバランスを改善することにより、宿主(人など)に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されます。

プロバイオティクスの働き

・腸内への細菌やウイルスの進入を防ぐ。
・乳糖を分解する酵素を供給する。
・抗コレステロール作用。
・ビタミンB3、B5、B6、B12、葉酸、ビタミンKを作る。
・ガン予防、老化防止など免疫を高める可能性。
・腸を活性化させ大量の排出物を作る。
・過敏性腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎の症状の軽減の可能性がある。
・ニキビや湿疹などの皮膚トラブルを減らす可能性がある。
・口臭を減らす。

腸内の善玉菌を増やすことで腸内バランスを保つというのがプロバイオティクスの考え方ですが、善玉菌の代表はビフィズス菌やラクトパチルス菌(乳酸桿 菌)などの乳酸菌です。腸内には数多くの細菌、体調を整える善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌、腐敗や発癌物質を作るウェルシュ菌や大腸菌が常在しています。 大腸は空気がほとんどない嫌気状態なので嫌気性菌と呼ばれるビフィズス菌やユウバクテリウム、ウェルシュ菌などの細菌が存在し、腸内細菌の90%以上がこ れにあたります。このうち、ビフィズス菌以外は利用できる糖質がなくてもアミノ酸などを利用してどんどん増殖するが、人の善玉菌は動物に比較して少なく、 その分消化液が強力で殺菌効果を増強して対応しています。
従って、善玉菌を増やして腸内のバランスを良くすると、抗体が多く作られ免疫が活性化します。その機序は、乳酸菌などの善玉菌は腸管に入り込んでマクロ ファージに取り込まれます。マクロファージは外敵の情報をリンパ球に伝える大事な細胞で、リンパ腺や扁桃腺においてマクロファージによってリンパ球(NT 細胞やT細胞、B細胞)も活性化されます。NK細胞やキラーT細胞は外敵と戦い、B細胞は外敵と戦う武器(抗体)を作り始めます。つまり乳酸菌によってリ ンパ球や免疫能は活性化されます。
乳酸菌を増やす食品には、ヨーグルト、乳製品、納豆、味噌、醤油、漬物(特にキムチ)などがあります。
ただし、プロバイオティクスには、胃液などの消化液に消化されずに腸内に到達できることが必要であり、もともと宿主の腸内に存在し増殖できることが必須条件となります。

プロバイオティクスとなる善玉菌の種類

ラクトバチルス
(乳酸桿菌属)
桿菌 アシドフィルス、カゼイ、プルガリクス、ブレビス
ヨーグルト、乳酸菌飲料
プランタルム、ファーメンタム: 発酵食品
ビフィズス菌属
(ビフィドバクテリウム)
桿菌 ブレーベ、ビフィダム、インファンティス
人の腸管、乳酸菌製剤、発酵乳
シュードロンガム、サーモフィルス
動物の腸管
連鎖球菌属
(ストレプトコッカス)
球菌 ラクティス、クレモリス、サーモフィルス
チーズ、ヨーグルト
フェカーリス: 乳酸菌製剤
ペディオコッカス属 球菌 セレピシュ: 加工品
ハロフィルス: 味噌・醤油

乳酸菌のプロバイオティクス機能

人間の腸内には約100種類、100兆個もの細菌がすみついていますが、腸内ではビフィズス菌に代表される健康によい働きをする細菌 (善玉菌)と、大腸菌、病原菌やブドウ球菌、腸内腐敗や発ガン関連物質を生み出すウェルシュ菌に代表されるような健康に有害な働きをする細菌(悪玉菌)が 絶えず勢力争いを行っており、このバランスが人間の健康状態を左右していると言われています。乳酸菌とは腸内で糖を分解して大量の乳酸を作り出す細菌の総 称です。その中でもビフィズス菌とアシドフィルス菌が主に有用です。通常、ビフィズス菌は大腸に、アシドフィルス菌は小腸に分布している善玉細菌です。腸 内細菌の2割程度を乳酸菌が占めていますが加齢に伴い腸内の細菌の分布が変化し、ウェルシュ菌に代表されるいわゆる悪玉菌が増加してきます。悪玉菌が増え ると腸内で便の腐敗が促進し、その結果発ガン物質が発生する恐れがあります。腸内環境を整えるために乳酸菌は欠かせません、特にビフィズス菌は糖を分解し て乳酸だけでなく酢酸をも作り出すので腸内環境の健康維持効果が知られています。また乳酸菌はオリゴ糖を好んで分解し、増殖する性質があります。

1) アシドフィルス菌
アシドフィルス菌とは善玉菌で腸内の有益菌を増やす乳酸桿菌属(ラクトバチルス)で、胃腸の調子を整え食中毒などになるのを防ぎます。またアシドフィルス 菌を摂っていると腸がきれいになり、腸内の腐敗に原因する口臭、便秘、匂いのキツイおならを減らし、にきびや皮膚のトラブルの治療の助けとなります。
<抗菌作用>
アシドフィルス菌は、消化管の小腸下部から大腸にかけて生息する腸内常住菌で、有機酸、過酸化水素、抗生物質などを造り、病原菌や腐敗菌の増殖を抑えま す。特に、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム菌などに抗菌性を示します。アシドフィルス菌の抗菌作用の特徴は、病原菌あるいは潜在的な病原菌を特 異的に強く阻害することにあります。
<コレステロール抑制作用>
アシドフィルス菌は腸管内でコレステロールを消費し、その結果血清コレステロール値が抑制する可能性があると言われています。
<発ガン抑制作用>
腸内細菌の中には、食物成分や胆汁酸のような消化管の分泌物に作用して、アンモニア、アミン類、フェノール類、インドール、硫化水素などの有害な腐敗物 や発ガン物質を造るものがあります。アシドフィルス菌は、これらの腸内の悪玉細菌による発ガン物質の生成に関与する酵素の活性を低下させることが認められ ています。。アシドフィルス菌など腸内の乳酸桿菌は、人の胃ガンや大腸癌との関連が示唆されているニトロソアミンを分解します。

2)カゼイ菌
カゼイ菌は口膣内、腸内に常住する善玉菌で乳酸桿菌属(ラクトバチルス)です。繁殖力と耐久性がとても強く、アシドフィルス菌の生育を助けます。DL乳酸 とアミラーゼを作り出し、各種の物質(炭水化物)を幅広く消化する性質を持っています。DL乳酸とは乳酸菌が糖などを食べた結果できる物質、また体内のエ ネルギー代謝によってできる物質で細胞を活性化する働きがあります。カゼイ菌は乳汁やチーズの中にも多く見られる菌種です。
<カセイ菌の主な働き>
・免疫細胞の賦活
・腸内細菌のコントロール
・活性酸素の除去

3)ビフィズス菌
ビフィズス菌の由来:
ビフィズス菌というのはビフィドバクテリウム属に属する一群の菌の総称で、現在は25菌種に分類されていますが、このうちヒトの腸内に住みついているのは5菌種(ビフィダム、ブレーベ、インファンティス、ロンガム、アドレッセンティス)です。
1899年、フランス・パスツール研究所の小児科医ティシエは、健康な母乳栄養児の腸内で最優勢を誇っている未知の菌を発見し、バチルス・ビフィズス菌 と命名しました。母乳栄養児は健康に育つのに対し、人工栄養児は下痢などにかかりやすく、死亡率も高いという差があり、その謎を解く鍵は腸内菌にあると考 え、パスツール研究所の研究員となって母乳栄養児と人工栄養児の腸内菌の研究を続け、現在のビフィズス菌を発見しました。
<ビフィズス菌の働き>
・腸の働きを活発にする。 便秘を防ぐ。
・下痢を予防する
・ガスや便のいやな臭いをなくす
・肌あれを防ぐ可能性がある。
・老化防止
・免疫機能を調整してがんなどに対する抵抗力を高める。
・ビタミンB1、B2、B6、B12、ニコチン酸、葉酸、Kなどのビタミンを合成する。
・有毒物質の生成を抑え肝臓を保護する。