タグ別アーカイブ: SGA

栄養スクリーニングとアセスメント

◆ 栄養スクリーニングとアセスメントのまとめ

<海外>

ODA

Weinsier RL

Am J Clin Nutr 32:418-426, 1979

A prospective evaluation of general medicalpatients during the course of hospitalization

・ 一般病院に入院した平均年齢52歳の患者134名を対象。

・ 入院時の葉酸およびビタミンC、総リンパ球数、血清アルブミン値、ヘマトクリットに加えて、TSFや体重/身長比、AMCにてスコア化したLOMクライテリア(likelihood of malnutrition)にて高度LOMが対象の48%。特に、葉酸と総リンパ球数、血清アルブミン値、ヘマトクリットとLOMは相関が強かった。さらに、入院後も高度LOMと血清アルブミン値の低下は増悪した。

・ 高度LOM患者は、対象に比較して有意に入院期間が長く(20日vs12日)、死亡率が高かった(13%vs4%)。

Klidjian AM
JPEN 6:119-121,1982

Detection of dangerous malnutrition

・ 待機的消化器手術平均60.1歳(24-86)の患者120名を対象。

・ AMC、FMCの計測による筋肉量の推定は、身長、体重や血清アルブミン値による予後予測より正確で患者の50%以上の合併症を予測できた。

・ 特に、握力測定は、合併症の90%を予測し、正常に比較して低下していると6倍の合併症であった。

 

Bistrian BR

JAMA 235:1567-1570, 2011

Prevalence of Malnutrition in General Medical Patients.

・ %AMCは血清アルブミン値とよく相関する。

・ TSFやAMCも体重/身長比に相関する。

SGA

☆Baker JP

New England Journal of Medicine 306:969-972,1982

Nutritional Assessment A comparison of clinical judgement and objective measurements

・ 総合病院に入院した59名の平均50.4歳(17~76歳)を対象。

・ 最近6ヶ月以内の体重減少、食思不振、嘔吐、下痢、食事摂取の異常、浮腫、全身倦怠にて評価。2名で評価して、栄養良好、中等度の栄養不良、明らかな栄養不良の3群に分けて、一致した患者48名を検討。

・ SGAの重症度に応じて、血清アルブミン値、トランスフェリン、理想lean body weight比、理想体重比、クレアチニン身長係数、体脂肪率、総窒素量、総Na量は有意に悪化した。

・ SGAの重症度に応じて入院中の感染の合併、抗菌薬使用率が相関した。また、重症栄養不良は他に比較して有意に入院日数が延長した。

☆Baker JP

Human Nutrition: Clinical Nutrition 36c:233-241,1982

A comparison of the predictive value of nutritional assessment techniques

・ 総合病院に入院した59名の平均50.4歳(17~76歳)を対象。

・ 最近6ヶ月以内の体重減少、食思不振、嘔吐、下痢、食事摂取の異常、浮腫、全身倦怠にて評価。2名で評価して、栄養良好、中等度の栄養不良、明らかな栄養不良の3群に分けて、一致した患者48名を検討。

・ SGAの重症度に応じて感染の合併、抗菌薬の使用率が相関する。

・ 血清トランスフェリン値が低下すると有意に感染を合併しやすい。血清トランスフェリン値とクレアチニン身長係数の低下は、抗菌薬の使用率が増加する。血清アルブミン値、血清トランスフェリン値、クレアチニン身長係数、総身体窒素量、総身体K量の低下は、入院に数に相関する。

・ SGAは陽性予測率61%で、血清アルブミン値3.0未満(54%)、血清トラスフェリン値200未満(43%)、ツベルクリン反応(皮膚型遅延反応)(51%)、PNI40以上(48.5%)に比較して良好であった。

☆Detsky AS

JPEN 8:153-159, 1984

Evaluating the accuracy of nutrition assessment technique applied to hospitalized patients: Methodology and comparison

・ 総合病院に入院した59名の平均50.4歳(17~76歳)を対象。

・ 最近6ヶ月以内の体重減少、食思不振、嘔吐、下痢、食事摂取の異常、浮腫、全身倦怠にて評価。2名で評価して、栄養良好、中等度の栄養不良、明らかな栄養不良の3群に分けて、一致した患者48名を検討。

・ SGA栄養不良あり・なし: 感度 82.0% 特異度 72.0% 陽性尤度比 2.93 陰性尤度比 0.25

・ 栄養不良におけるSGAのROC曲線は、血清トランスフェリン値、PNI、ツベルクリン反応、クレアチニン身長係数、血清アルブミン値、TSFに比較して有意に良好。

・ SGAに血清アルブミン値やツベルクリン反応、クレアチニン身長係数を付加して栄養不良を判定しても少ししか改善がなく、コストには見合わない。

☆Detsky AS

JPEN 11:8-13,1987

What is subjective global assessment of nutritional status?

・ SGA表。

・ 体重減少の評価は、6ヶ月でずっと体重減少して7%低下した患者より、5ヶ月で10%減少して最後の1ヶ月で3%改善した患者に比較して栄養不良は軽症である。

・ 体重減少、食事摂取量の低下、TSFの減少、AMCの減少を重視して栄養不良の重症度を判定する。2、3週間で5%以上の体重減少(安定化や回復なし)、食事摂取の低下、TSFの減少があれば中等度栄養不良と判定する。浮腫や腹水、腫瘍などによる体重減少の見逃し、または体重増加の誤認に注意。重症のTSF減少、AMC減少、浮腫、10%以上の体重減少は、重症栄養不良の徴候。

・ 消化管の大手術目的に入院した患者202名を対象。訓練を受けた看護師、医師が評価を行い、別々にダブルチェックも行った。

・ 体重減少(kg)、体重減少率と食事内容の変動期間がSGAの重症度と相関。

・ 多重ロジスティック解析にて、TSFの減少とAMCの減少が、栄養不良の有無に有意な因子。また、体重減少率が重症の栄養不良の有意な因子。相関係数による検討でも同様の結果。
☆Detsky AS

JPEN 11:440-446, 1987

Predicting nutrition-associated complication for patients undergoing gastrointestinal surgery

・ 消化管の大手術目的に入院した患者202名を対象。訓練を受けた看護師、医師が評価を行い、別々にダブルチェックも行った。

・ SGAと血清アルブミン値の組み合わせで評価することで、術後の栄養学的合併症が予測できる。

・ 入院時の栄養評価を適切に行うことで、術後の栄養学的合併症が10%と、他の報告に比較して減少した。

Duerksen DR

Nutrition 16:740-744, 2000

The Validity and Reproducibility of Clinical Assessment of Nutritional Status in the Elderly.

・ 老人病院またはリハビリセンターに入院した87名の70歳以上の高齢者を対象。

・ SGAによる栄養評価は、皮下脂肪厚や筋肉量、BMIなどのODAと良好な相関があり、予後とも相関がある。但し、血液検査データとは予後には相関を認めなかった。これらのことより、SGAやODAは栄養不良のみならず、予後の指標となる。
Sacks GS

Journal of the American College of Nutrition 19:570-577,2000

Use of subjective global assessment to identify nutrition-associated complications and death in geriatric long-term care facility residents

・ 65歳以上の老健施設入所者(2週間以上)53名を対象

・ SGAにて良好16名(30.2%)、中等度栄養不良28名(52.8%)、重症栄養不良9名(17%)であった。

・ SGAスコア(各因子を3段階評価)は、栄養学的合併症と相関を認めた。

・ SGAの重症栄養不良患者に有意に死亡率が高く、血清アルブミン値の低下は栄養学的合併症に、血清コレステロール値の低下は死亡率に有意に相関していた。
Christensson L

European Journal of Clinical Nutrition 56:810-818、2002

Evaluation of nutritional assessment techniques in elderly people newly admitted to municipal care.

・ 65歳以上の入所患者261名を対象。

・ SGAの栄養不良(ODAにて評価)に対する感度93%、特異度61%、これに対してMNAは感度96%、特異度26%。

・ SGAは栄養不良の診断に有用で、MNAは栄養不良リスクの評価に有用。

* MNAはSGAをreference standardとすると、感度97.1%、特異度40.7%、陽性尤度比1.64、陰性尤度比0.07.
Kondrup J

Clinical Nutrition 22:321-326, 2003
Nutritional risk screening (NRS2002): a new method based on an analysis of controlled clinical trials.

・ 文献レビュー

・ 128文献、8944名の患者のレビュー

・ NRS2002を栄養スクリーニングとして使用し、3以上の栄養不良のリスクありの群に対して栄養学的介入の有効症例が有意に多く、その効果は経腸栄養、経口栄養患者に有意であった。
Kondrup J

Clinical Nutrition 22:415-421, 2003

ESPEN Guidelines for Nutrition Screening 2002

・ 栄養スクリーニングとして、MUST、NRS-2002、MNAを推奨する。
Barone L

The Journal of Nutrition, Health & Aging 7:13-17, 2003

Assessing the Older Person: Is the MNA a More Appropriate Nutritional Assessment Tool Than the SGA?

・ 65歳以上の高齢入院患者43名を対象(ただし、緩和ケア目的と認知症は除外)。

・ MNAはSGAに比較してより多くの栄養不良患者を抽出で来ているので有用?ただし、栄養不良またはリスクあり患者のアウトカムは示されていない。
Borowiak E

New Medicine 4:125-129, 2003

Usefulness of short (MNA-SF) and full version of the Mini Nutritional Assessment (MNA) in examining the nutritional state of older persons.

・ 在宅介護および施設の入所患者311名を対象。

・ 在宅介護患者では、MNA-SFはMNAとよく相関して、栄養アウクリーニングとしても有効。しかし、施設入所患者では、スクリーニングとしての精度が落ちる。
Sungurtekin H

Nutrition 20:428-432, 2004

Comparison of two nutrition assessment techniques in hospitalized patients

・ 総合病院に入院した内科系・外科系18歳以上の成人患者251名

・ 入院患者の30%がSGAで、36%がNRI(Nutrition Risk Index)が栄養不良あり。

NRI = (1.489×血清アルブミン値)+41.7×(理想体重比)

NRI>100 栄養不良なし 97.5-100 軽度栄養不良 83.5-97.5 中等度 <83.5 重症

・ 体重(BMI)、血清アルブミン値、総リンパ球数、総コレステロール、身体測定値(TSF、AMC)は栄養不要患者で有意に低下し、相関も認めた。体重減少と入院に数は有意に栄養不良群に高かった。

・ SGAとNRIは良好な相関で、203例(81%)で一致していた。

Sungurtekin H

Journal of the American College of Nutrition 23:227-232, 2004

The influence of nutritional status on complications after major intraabdominal surgery

・ 総合病院に入院した手術患者100名を対象。

・ 入院患者の44%がSGAで、61%がNRI(Nutrition Risk Index)が栄養不良あり。退院時にはそれぞれ67%、82%に増加した。

NRI = (1.489×血清アルブミン値)+41.7×(理想体重比)

NRI>100 栄養不良なし 97.5-100 軽度栄養不良 83.5-97.5 中等度 <83.5 重症

・ 重症栄養不良患者に死亡率と合併症が有意に高かった。がん患者は合併症の有意な因子であった。

・ TSF、AMCなどは重症栄養不良で有意に低下。

Stratton RJ

British Journal of Nutrition 82:799-808, 2004

Malnutrition in hospital outpatients and inpatients: prevalence, concurrebt validity and ease of use the ‘malnutrition universal screening tool’ (‘MUST’) for adults.

・ 平均年齢44歳の75名の一般病院(緊急も含む)に入院した患者を対象。

・ 比較的若い入院患者には、MUSTが一番。

・ SGAやNRSとはMUSTとよく相関するが、MNAやMSTなどとは相関がやや弱い。
Mourao F

Nutr Hosp 19:83-88, 2004

Nutritional risk and status assessment in surgical patients: a challenge amidst plenty.

・ 100名の外科入院患者を対象。

・ NRS-2002をスクリーニング+SGAをアセスメントのコンビネーションが有用。MSTやNSIは評価が低い。
Bauer JM

Z Gerontol Geriat 38:322-327、2005

Comparison of the Mini Nutritional Assessment, Subjective Global Assessment, and Nutritional Risk Screening (NRS 2002) for nutritional screening and assessment in geriatric hospital patients.

65歳以上の老人病院の急性期病棟に入院した患者121名を対照。

・ MNAのみが入院日数と有意な相関を示した。

・ MNA、SGA、NRS-2002を比較したところ、栄養不良及びそのリスクの評価に最適で、MNAが困難な症例にはNRS-2002を勧める。
Read JA

Nutrition and Cancer 53:51-56,02005

Nutritional Assessment in Cancer: Comparing the  Mini-Nutritional Assessment (MNA) With the Scored Patient-Generated Subjective Global Assessment (PGSGA).

・ 治療目的で入院した157名のがん患者を対象。

・ PGSGAは栄養指標として、優れたいたが、MNAは感度は高いものの、特異度が低すぎて有用性は低い。

・ PGSGAをreference standardとして、MNAは感度97%、特異度54%、陽性尤度比2.12、陰性尤度比0.06.

Shirodkar M

Indian Journal of Gastroenterology 24:246-250, 2005

Subjective global assessment: a simple and reliable screening tool for malnutrition among Indians.

・ 予定手術の294名の外科入院患者を対象。

・ SGAによる栄養評価は、合併症、30日間生存率、入院延長、抗菌薬の使用率などと相関する。
Nursal TZ

Nutrition 21:659-665, 2005

Simple two-part tool for screening of malnutrition.

・ 2211名の入院患者を対象。

・ SGAは栄養評価のスタンダードでODAを評価に加えることで、より制度が高くなる。

・ SGAにおいて、体重減少と皮下脂肪の減少が有意な因子である。

・ MNA、MSTによる栄養評価は精度は高くないが、特にMNA-A(栄養状態の自己評価を問診)は栄養スクリーニングとして不適切。
Kyle UG

Clinical Nutrition 25:409-417, 2006

Comparison of tools for nutritional assessment and screening at hospital admission: A population study

・ 内科系・外科系の入院患者995名を対象。

・ SGAによる栄養評価とNRI、MUST、NRS-2002は良好な相関。

・ SGA評価を基本とした場合の各スクリーニング因子の精度、NRS-2002が最もよい。

感度         特異度         陽性予測値        陰性予測値

NRI      43.1%        89.3%           76.2%           66.3%

MUST        61.2%        78.6%           64.6%           76.1%

NRS-2002 62.0%        93.1%           85.1%           79.4%

・ これらの栄養評価で重症栄養不良とされた患者の在院日数は有意に長い。

 

Martins CPALM

Journal of Nutrition for the Elderly 25:5-21, 2005

Undernutrition Risk Screening and Length of Stay of Hosputalized Elderly.

・ 207名の65歳以上の高齢入院患者を対象。

・ MNA、SGA、MSTなどに比較してNRS-2002が最も栄養不良と入院期間の予測因子となった。
Asfar B

Journal of Renal Nutrition 16:277-282, 2006

Reliability of Mini Nutritional Assessment in Hemodialysis Compared With Subjective Global Assessment.

・ 137名の血液透析中のPEM患者を対象。

・ ODAを参考に再評価したところ、MNAはSGAに比較して栄養不良患者の過小評価につながり、信頼性に欠ける。

・ SGAは血液透析患者のスタンダード!

・ SGAをreference standardとして、MNAは感度84.4%、特異度44.4%、陽性尤度比1.52、陰性尤度比0.35。
Cristina M

Curr Opin Clin Metab Care 9:263-269, 2006

Indications and limitations of the use of subjective global assessment in critical practice: an update

・ 栄養不良の評価においてSGAは、“gold standard“である。必ずしもODAと一致しないが、SGAの方がより早期に栄養不良を検知している可能性がある。

・ SGAは、いくつかの臨床場面において死亡率や合併症率の指標となりえる。

・ SGAは、栄養不良の予測因子(特に急性期)としては十分ではないので、栄養スクリーニングとしては他の新しい方法の確立が望まれる。高齢者には、MNAが推奨されるとの報告もある。

・ SGAのスコア化は、今後有用性が高くなる可能性がある。
Guigoz Y

The Journal of Nutrition, Health & Aging 10:466-487, 2006

The mini nutritional assessment (MNA®) Review of the literature – What does it tell us?

・ PG-SGAスコアを栄養不良の評価とすると、感度97%、特異度54%。血清アルブミン値3.5未満を栄養不良の評価とすると、感度75%、特異度50%。

・ MNAで栄養スクリーニングを行った30000人の高齢者レビューデータでは、健康な老人の1%、外来通院患者の4%、アルツハイマー病患者の5%、入院患者の20%、施設入所患者の37%に栄養不良を認めた。

・ MNAとMNA-SFは比例する

Sieber CC

The Journal of Nutrition, Health & Aging 2006 10:488-494, 2006

Nutritional Screening Tools-How Does the MNA® Compare? Proceedings of the Session Held in Chicago May2-3, 2006. (15Years of
Mini Nutritional Assessment)

・ エキスパート・オピニオン

・ MNAは高齢者の栄養スクリーニングⅡ有用。もし、MNAが使用できない時は、NRS2002を推奨。
Baccaro F

JPEN 31:406-409, 2007

Subjective global assessment in the clinical setting

・ 内科系入院患者412名を対象(平均年齢65.7歳、16~94歳)。

・ SGAにて、栄養不良47.6%(重症8.58%、中等症38.8%)であった。

・ 栄養不良群は入院日数が15.7日と、栄養良好群の8.7日と比較して有意に長かった。

・ 栄養不良群は、単変量解析に男性、65歳以上、感染症、腫瘍関連疾患に多かった。

Makhija S

Nutr Clin Pract 23:405-409, 2008

The subjective global assessment: A review of its use in clinical practice

・ エキスパート・オピニオン

・ SGAの評価は、外科患者、癌患者、腎臓疾患、HIV患者など、多くの分野で死亡率、合併症率の低下に貢献する。

・ SGAとPGSGAは同じ。
Cristina M

Curr Opin Clin Nutr Metab Care 11:248-254, 2008

Subjective and objective nutritional assessment methods: What do they really assess?

・ エキスパート・オピニオン

・ 栄養不良の評価には、高齢者においてはMNAの方が有効とする意見もあるが、SGAの方が簡便で推奨するとの意見もある。

・ 栄養不良患者の予後指標として、SGAは死亡率や合併症率に有効とする報告があり、SGAスコアが最も良いとの意見もある。

・ 他のどのODA指標でも、SGAを超えるものはない。

Ataly BG

JPEN 32:454-459, 2008

Use of subjective global assessment and clinical outcomes in critically ill geriatric patients receiving nutrition support

・ 65歳以上の内科系入院患者119名対象(平均年齢73.1歳)。

・ SGAにて、7名(5.9%)が重症栄養不良、中等度栄養不良33名(27.7%)、栄養不良なしが79名(66.4%)であった。

・ ICU管理を行った患者87名(73.1%)において、栄養不良の有無によって入院日数と死亡率に差を認めなかった。

Sungurtekin H

Nutr Clin Pract 23:635-641, 2008

Nutrition assessment in critically ill patients

・ ICU入室患者124名(45%は術後患者)を対象。

・ SGAスコアで、重症栄養不良14名(11%)、中等度栄養不良33名(26%)であった。

・ 栄養不良群は栄養良好群に比較して、体重、BMI、AMC、TSFが低く、APACHE-Ⅱ、SAPSⅡと死亡率が高かった。

・ SGAスコアは、年齢、体重、体重減少率、血清アルブミン値、APACH-Ⅱ、SAPSⅡおよび死亡率と有意に相関した。

Elkan A-C

European Journal of Clinical Nutrition 62:1239-1247, 2008

Malnutrition in women with rheumatoid arthritis is not revealed by clinical anthropometrical measurements or nutritional evaluation tools.

・ 関節リューマチにて入院した60名の患者を対象

・ MNA、SGA、MUST,NRS-2002とBMI、AMC、TSFなどを、Fat-free mass indexを栄養不良の指標として評価。MNAは感度が高くてスクリーニングとして有用であるが、特異度が低く、ODAによる評価を付け加える必要がある。MNAは感度85%、特異度39%、SGAは感度36%、特異度89%

・ AMCは感度36%、特異度89%、TSFは感度43%、特異度93%
Li Y

Perit Dial Int 29:578-582, 2009

Is subjective global assessment a good index of nutrition in peritoneal dialysis patients with gastrointestinal symptoms?

・ 214名の腹膜透析患者を対象(平均年齢60.22歳、透析歴21.5ヶ月)。

・ 消化器症状の強さをスコア化して3群にわけたところ、SGAで評価した栄養不良の重症度と相関したが、他の栄養指標は相関しなかった。消化器症状とSGAで判定する栄養評価は有用。

de Mutsert R

Am J Clin Nutr 89:787-793, 2009

Subjective global assessment of nutritional status is strongly associated with mortality in chronic dialysis patients

・ 成人透析患者1601名(平均年齢59歳)を対象。

・ 7ポイントSGAにて栄養評価を行い、1-3の重症栄養不良5%、4-5の中等度栄養不良23%、6-7栄養不良なし72%となった。7ポイントSGAは、その点数に応じて死亡率、特に7年死亡率は2倍高くなった。
Tsai H-J

Internal Journal of Nursing Studies 2010

Comparing the predictive ability of population-specific mini-nutritional assessment with subjective global assessment for Taiwanese patients with hemodialysis: A cross-sectional study

・ 192名の17歳以上の血液透析患者を対象。

・ SGAによる栄養評価で、1%の重症栄養不良、51%の中等度栄養不良、48%の栄養良好となった。SGAとMNA(台湾版)は一致しなかった。SGAは食欲、血清アルブミン値、血清クレアチニン値、BMI、AMCと正の相関があり、入院日数とは負の相関であった。相関係数からの検討では、BMIと血清アルブミン値と正の相関、救急受診回数と負の相関を認めた。

・ 台湾版MNAⅡが血清アルブミン値やCRPとの相関がより強く、栄養不良の評価により有用であった。

Kwang AY

American Journal of Hospice & Palliative Medicine 27:117-126,2010

Objective and subjective nutritional assessment of patients with cancer in palliative care

・ 緩和ケア病棟に入院したがん患者58名

・ PG-SGAスコア(変更)は、TSF、AMC、BMI、体重減少(1ヶ月、6ヶ月)に有意に相関。
Neelemaat F

Journal of Clinical Nursing 20:2144-2152, 210

Comparison of five malnutrition screening tools in one hospital inpatient sample.

・ 65歳以上の171名を含む入院患者275名を対象。

・ SGAの項目に準じたODA指標にて栄養不良を評価。

・ MNAは感度は高いが、特異度が低くMSTやSNAQに比較して臨床的には有用と言えない。MUSTも見逃し率が高く有用でない。

Raslan M

Nutrition 26:721-726, 2010

Comparison of nutritional risk screening tools for predicting clinical outcomes in hospitalized patients.

・ 総合病院に入院した705名の患者を対象。

・ 栄養不良のスクリーニングとしては、NRS-2002がMNA-SFと同等の効果で、共に合併症、入院日数延長や死亡率と相関した。MUSTは有用性は低い。

Phillips MB

Asia Pac Clin Nutr 19:440-449, 2010

Nutritional screening in community-dwelling older adults: a systematic literature review.

・ 文献レビュー

・ MNA-SFが施設高齢者の栄養スクリーニングには最適。

Kyle UG

CMAJ 23:1831-32, 2010

Nutritional assessment and length of hospital stay.

・ SGAとMNAは栄養アセスメント・ツール。SGAは栄養不良の診断に、MNAは栄養不良のリスク診断に有用。

Tsai A

International Journal of Nursing Studies 2011

Long-form but not short-form Mini-Nutritional Assessment is appropriate for grading nutritional risk of patients on hemodialysis-A cross-sectional study.

・ 血液透析を施行中の通院患者152名を対象。

・ SGA、血清アルブミン値、血清クレアチニンをreference standardとして、MNA-LF及びMNA-SFを評価。

・ MNF-LFは栄養不良評価に有用であるが、MNA-SFはSGFとの相関も悪く、臨床的には過小評価で有用性が低い。
Skipper A

JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2011 Nov 1. [Epub ahead of print]

Nutirition Screening Tools: An Analysis of the Evidence

・ 各栄養スクリーニング・ツール(NRS-2002、MNA-SF、MSTなど)をSGAおよびPG-SGA、MNA、ODAをreference standardとして比較検討した文献レビュー。

・ MSTが最も信頼できる栄養スクリーニング・ツール。MNA-SFは感度は良好なものの、信頼性に欠ける。

Vischer UM

Clin Nutr. 2011 Oct 11. [Epub ahead of print]

The prognostic significance of malnutrition as assessed by the Mini Nutritional Assessment (MNA) in order hospitalized patients with a heavy disease burden.

・ 75歳上の老人病院入院患者444名を対象。

・ MNAとMNA-SFの相関は良好。

・ MNAもMNA-SFも予後の指標とはならない。CIRSスコア(心疾患、高血圧、貧血、呼吸器疾患、眼・耳疾患、上部消化管疾患、下部消化管疾患、肝疾患、腎疾患、泌尿器科疾患、筋骨格疾患、神経疾患、内分泌・代謝疾患、精神疾患・認知症)や血清アルブミン値とも相関は認めず。

Kaiser MJ

JAGS 59:2124-2128, 2011

Prospective Validation of the Modified Mini Nutritional Assessment Short-Forms in the Community, Nursing Home, and Rehabilitation Setting.

・ 入院していない元気な65歳以上の657名を対象。

・ MNAはESPENにて入院患者への栄養評価として推奨していない。

・ 元気な高齢者にはMNA-SFはMNAと比較的良好な相関を示し、有用である。
Velasco C

European Journal of Clinical Nutrition 65:269-274, 2011

Comparison of four nutritional screening tools to detect nutritional risk in hospitalized patients: a multicentre study.

・ 内科・外科の入院患者400名を対象。

・ SGAは栄養評価のgold standard!合併症、入院日数に相関。

・ MNA以外のMUST、NRS-2002は栄養スクリーニングとして有用。

De Luis DA

Nutr Hosp 26:1350-1354, 2011

Evaluation of the mini-nuteritional assessment short-form (MNA-SF) among institutionalized older patients in Spain.

・ 65歳以上の施設入所中の患者873名を対象。

・ MNA-SFは血清アルブミン値などの栄養学的パラメーターと相関しており、栄養指標となる。
その他:

Mueller C

JPEN 45:16-24, 2011

ASPEN clinical guidelines Nutrition screening, assessment, and intervention in adults

・ 入院患者に対する栄養スクリーニングは推奨(E)

・ 栄養スクリーニングで栄養不良のリスクのある患者全てに栄養評価を推奨(E)

・ 栄養不良のある、または疑い患者には栄養学的介入を推奨(C)

Kobayashi I

Nephrol Dial Transplant 25:3361-3365, 2010

Geriatric Nutrition Risk Index, a simplified nutritional screening index, is a significant predictor of mortality in chronic dialysis patients

・ 490名の慢性透析患者を対象(平均年齢60歳)

・ GNRI= (14.89×血清アルブミン値(g/dL))+(41.7×(body weight*ideal body weight))

・ GNRIの90をカットオフ値とすると、90未満では有意に死亡率が高くなった。また生存率曲線でも、有意に低下した。多変量解析でも、GNRIは有意な因子であった。
<日本>

寺唄政宏

栄養-評価と治療 27:170-174、2010

問診による簡易栄養スクリーニングの有用性についての検討

・ 食事量の減少、体重の減少、身体機能、浮腫と褥瘡の有無の4項目からなる問診による簡易栄養スクリーニングにて、各項目2点満点で合計8点、6点以下を栄養不良とした。

・ 入院患者456名(平均年齢72.3歳、50~100歳)を対象。

・ 6点以下の栄養不y労は215例(47.2%)。

・ 栄養不良群で有意に血清アルブミン値、BMI、%AMCは低く、入院日数も長かった。また、栄養不良群で有意に死亡率も低かった。

長澤千春

栄養-評価と治療 25:497-500、2008

客観的栄養パラメーターからみた当院入院時簡易版栄養スクリーニングの検討

・ 急性期病院入院患者247名を対象。

・ 身長と体重(BMI、%理想体重)、体重の変化、食物摂取の変化の3項目を看護師が評価して栄養不良から高度栄養不良まで4段階評価。

・ 栄養良好214例(86.6%)、栄養不良の可能性あり10例(4.0%)、中等度栄養不良23例(9.3%)、高度栄養不良0例(0%)。

・ 栄養不良群は良好群に比較して、血清アルブイミン値、総コレステロール値、BMIが有意に低い。

・ 血清アルブミン値3.0以下を栄養不良とすると感度35%、特異度93%、陽性的中率58%、見逃し率16%。

田村佳奈美

消化器外科NURSING 12:170-178、2007

栄養スクリーニング(1)

・ SGAにて「軽度栄養不良」
井上善文

臨床栄養 109:883-887、2006

SGA(主観的包括的栄養評価)とODA(客観的データ栄養評価)-ODAを造語した経緯とその意義-

・ ODAはJSPENの造語。

・ 栄養評価のプロセスとしては、SGAを用いて主観的に評価し、栄養障害に陥っていると判断した症例に対してODAとして客観的に評価する。

澤田直子

栄養評価と治療 23:571-574、2006

栄養アセスメントにおけるSGAとODAの関係

・ ケアミックスの総合病院の入院患者187名を対象(平均年齢80歳)。

・ SGAによる栄養良好53例(28.3%)、中等度栄養不良68(36.4%)、重症66例(35.3%)。血清アルブミン値、総リンパ球数、小野寺の予後スコアは有意にSGAの重症度と相関。

・ SGAの栄養障害度と予後も生存率にて有意な相関あり。

・ 早期にN:Tが介入することで、予後の改善効果もあり。

若原利達

栄養評価と治療 23:557-560、2006

消化器内科入院患者におけるSGAを用いた栄養スクリーニングと在院期間の検討

・ 大学病院消化器内科入院患者262名(平均年齢63歳)を対象。

・ SGAによる評価は、栄養良好138例、中等度栄養不良81例、重症43例。

・ SGAの重症度は、生存曲線に有意に相関。

・ SGAの重症度とBMI、%AMC、%TSF、血清アルブイン値、総コレステロール値、総リンパ球数は相関。

・ 在院日数とSGA重症度は多変量解析にて相関あり。
佐々木雅也

臨床栄養 109:403-408、2006

スクリーニング手法とSGAとODA

・ 大学病院に入院したクローン病患者のSGAは、クローン病の活動係数であるIOIBD、CDAIやCRPと相関を認めた。

・ SGAに加えて血清アルブミン値3.0g/dL以下を栄養不良に加える評価は有用。

安武健一郎

栄養評価と治療24:523-527、2007

入院時栄養スクリーニングにおける総リンパ球数と他の栄養指標との関係に関する検討

・ 新生児を除く全入院患者1881名を対象。

・ SGAによる栄養良好477例、中等度栄養不良1271例、重症栄養不良133例で、総リンパ球数はほぼ重症度に相関して減少した。但し、血清アルブミン値やBMIは相関を認めなかった。

安武健一郎
栄養評価と治療 23:561-565、2006

入院時栄養スクリーニングを構成する各栄養評価指標に対する解析

・ 急性期病院に入院したNICUを除く817名を対象。

・ SGAの重症度と血清アルブミン値、BMIは弱い相関を認めた。

・ SGAの重症度と%AMC、%TSF、生活活動度の低下も弱く相関した。

黒田英克

栄養評価と治療 24:533-535、2007

肝硬変合併肝細胞癌に対するSGAの有用性の検討

・ 大学病院内科に入院した肝硬変合併肝細胞癌76例(平均年齢66.3歳)を対象。

・ SGAにて、44.7%の34例に栄養不良あり(良好42例、中等度29例、重症5例)。

・ SGAの重症度は血清アルブミン値と良好な相関あり。他に、総リンパ球数、BMI、%TSF、%AMCとも良好な相関。

榎 裕美

栄養評価と治療 24:528-532、2007

急性期病院におけるMini-Nutritional Assessment short formを用いた栄養スクリーニングの有用性についての検討

・ 大学病院の呼吸器疾患患者・老年科患者53名を対象(平均年齢69.6歳)。

・ MNA-SF12未満の栄養不良はBMI、%AC、%CC(下腿周囲長)、%AMAおよび血清アルブミン値、総コレステロール値が有意に低下。これらは総コレステロール値以外全て、特に血清アルブミン値と良好な相関あり。

山田康輔

栄養評価と治療 25:342-346、2009

透析患者と栄養評価の進め方(栄養スクリーニング)

・ MIS (malnutrition-inflammation score)はSGAにBMIと血清アルブミン値、TIBC(総鉄結合能)を追加してスコア化したもので、各種栄養学的パラメーターと良好な相関。

・ GNRIも同様。
蛇沼俊枝

栄養評価と治療 23:566-570、2006

体重測定不能患者に対する血清アルブミン値単独スクリーニングの有用性

・ 急性期病院入院患者436名を対象(平均年齢66.7歳)

・ 血清アルブミン値3.0未満を栄養不良として、%TSFは感度41.7%、特異度46.4%、%AMCは感度41.7%、特異度53.2%であった。

伊藤正行

栄養評価と治療 26:460-462、2009

入院時栄養評価における血漿亜鉛(Zn)値測定の有用性

・ 大学病院入院館jyの59名を対象。

・ 入院時亜鉛低値群が入院後の栄養不良の合併の割合が有意に高い。

阿部裕子

Medical technology 36:788-789、2008

栄養スクリーニング指標としてのCONUTの有用性

・ CONUT(controlling nutritional status)は、血清アルブミン値、総リンパ球数、総コレステロール値にて栄養不良を判定する。

・ 11728検体で判定。

・ 血清アルブミン値が3.5g/dL以上の正常でも、CONUTで栄養不良が40%あり。CONUTが栄養スクリーニングとして有用の可能性。

SGAをちゃんとやろう!

SGAをちゃんとやろう!

 栄養評価の基本中の基本、SGA(Subjective Global Assessment:主観的包括的栄養評価)は1982年にカナダのトロントでJP BakerやAS Detskyらによって報告され、1987年に現在の形として報告されました。その後もいろいろな栄養評価法が開発されていますが、他のどの評価法よりも信頼性の高い方法として、世界中で使用されています。本邦でも、TNTの一環として紹介され、NST活動の基本として認知され、多くの施設で栄養評価法として使用されています。

 1. オリジナルのSGAとは・・・

一番最初のSGAの論文は、1982年にNew England Journal of Medicine 306:969-972, 1982でNutritional Assessment A comparison of clinical judgement and objective measurementsとして紹介されています。内容は以下の通り。

・ 総合病院に入院した59名の平均50.4歳(17~76歳)を対象。

・ 最近6ヶ月以内の体重減少、食思不振、嘔吐、下痢、食事摂取の異常、浮腫、全身倦怠にて評価。2名で評価して、栄養良好、中等度の栄養不良、明らかな栄養不良の3群に分けて、一致した患者48名を検討。

・ SGAの重症度に応じて、血清アルブミン値、トランスフェリン、理想lean body weight比、理想体重比、クレアチニン身長係数、体脂肪率、総窒素量、総Na量は有意に悪化した。

・ SGAの重症度に応じて入院中の感染の合併、抗菌薬使用率が相関した。また、重症栄養不良は他に比較して有意に入院日数が延長した。

 さらに、彼らは他の2誌に、追加検討内容も報告しています。

Human Nutrition: Clinical Nutrition 36c:233-241, 1982 A comparison of the predictive value of nutritional assessment techniques

・ 血清トランスフェリン値が低下すると有意に感染を合併しやすい。血清トランスフェリン値とクレアチニン身長係数の低下は、抗菌薬の使用率が増加する。血清アルブミン値、血清トランスフェリン値、クレアチニン身長係数、総身体窒素量、総身体K量の低下は、入院に数に相関する。

・ SGAは栄養不良の陽性予測率61%で、血清アルブミン値3.0未満(54%)、血清トラスフェリン値200未満(43%)、ツベルクリン反応(皮膚型遅延反応)(51%)、PNI40以上(48.5%)に比較して良好であった。

JPEN 8:153-159, 1984 Evaluating the accuracy of nutrition assessment technique applied to hospitalized patients: Methodology and comparison

・ SGA栄養不良あり・なし: 感度 82.0% 特異度 72.0% 陽性尤度比 2.93 陰性尤度比 0.25

・ 栄養不良におけるSGAのROC曲線は、血清トランスフェリン値、PNI、ツベルクリン反応、クレアチニン身長係数、血清アルブミン値、TSFに比較して有意に良好。

・ SGAに血清アルブミン値やツベルクリン反応、クレアチニン身長係数を付加して栄養不良を判定しても少ししか改善がなく、コストには見合わない。栄養評価はSGAのみで十分である。

そして、1987年にはじめてみなさんおなじみのSGAシートが登場します。さらに、製作者自らSGAの評価のコツを教えてくれています。NSTフリークの方は是非一度原文を読んでください。

JPEN 11:8-13,1987 What is subjective global assessment of nutritional status?

画像をクリックすると大きくなります

・ 体重減少の評価は、6ヶ月でずっと体重減少して7%低下した患者より、5ヶ月で10%減少して最後の1ヶ月で3%改善した患者は現在の栄養不良はより軽症と判断する。

・ 体重減少、食事摂取量の低下、TSFの減少、AMCの減少を重視して栄養不良の重症度を判定する。2、3週間で5%以上の体重減少(安定化や回復なし)、食事摂取の低下、TSFの減少があれば中等度栄養不良と判定する。浮腫や腹水、腫瘍などによる体重減少の見逃し、または体重増加の誤認に注意。重症のTSF減少、AMC減少、浮腫、10%以上の体重減少は、重症栄養不良の徴候。

・ 消化管の大手術目的に入院した患者202名を対象。訓練を受けた看護師、医師が評価を行い、別々にダブルチェックも行った。

・ 体重減少(kg)、体重減少率と食事内容の変動期間がSGAの重症度と相関。

・ 多重ロジスティック解析にて、TSFの減少とAMCの減少が、栄養不良の有無に有意な因子。また、体重減少率が重症の栄養不良の有意な因子。相関係数による検討でも同様の結果。

さらに他誌にこんな素晴らしいデータも報告しています。

JPEN 11:440-446, 1987 Predicting nutrition-associated complication for patients undergoing gastrointestinal surgery

・ SGAと血清アルブミン値の組み合わせで評価することで、術後の栄養学的合併症が予測できる。

・ 入院時の栄養評価を適切に行うことで、術後の栄養学的合併症が10%と他の報告に比較して減少した。

SGAのすごいところは、この後、高齢者も含めて、腎不全や肝障害など様々な病態患者に追試が行われたにもかかわらず、その精度が落ちなかったことにあります。

2. SGAをちゃんとやろう!

A.患者の記録

 ① 体重の変化

  過去6ヶ月間の合計体重減少

  やせ型が必ずしも栄養不良であるとは限らないため、体重の減少率に注意する。

   減少率 5%以下=問題なし

   減少率 10%以上=中等度以上の栄養不良あり

 過去2週間の変化

   1週間で2%以上減少=高度栄養不良

                      (急性障害あり) 

* 問診のポイント

 自分の体重を把握している場合:

  ・体調が良いときの体重はどのくらいか。

  ・6ヶ月の間に体重減少があったか。

      あれば、どのくらい減ったか。

  ・この2週間で体重減少があるか。

自分の体重を把握していない場合:

  ・洋服が大きくなったか。

  ・ベルトがゆるくなったか。

  ・知人から「やせたね」と言われたことはないか。

 ② 食物摂取状態の変化

  平常時と比較して変化があったか

変化の時期はいつ頃か

食べられるもの(変化のタイプ)は(固形食 完全液体食 水分 摂取不可) 

* 問診のポイント

 量的な変化:

 ・食事がきちんと食べられるか

 ・食事の量に変化があったか

質的な変化:

 ・どのようなものを食べているか

 ・食べ物の好みが変わったか

 ・軟らかいもの、水分の多いものを好むようになったか

変化の期間:

 ・いつ頃から食べる量、食べ物の種類が変わったか

 ・どのくらいの期間続いているか

 ③ 消化器症状

 2週間以上持続している消化器症状があるか

 どんな症状があるか 

    (嘔気 嘔吐 食欲不振 下痢)

 ④ 機能状態(活動性)

 日常生活に支障をきてしてないか

 仕事に支障をきたしてないか

 活動レベルはどの程度か (寝たきり 歩行可 車椅子 日常生活可)

* 活動係数

 1.0(寝たきり) 1.2(歩行) 1.4~1.8(労働)

 ⑤ 疾患および疾患と栄養必要量の関係

 疾患に伴う代謝需要(ストレス)はどの程度か

* 障害係数

 手術後3日間 1.0~1.8  熱傷 1.0~2.0 感染症 1.0~1.5     臓器不全 1.2~2.0

 発熱 1.2~1.8       担癌状態 1.2   外傷 1.1~1.3

B.身体症状

 皮下脂肪の減少、筋肉消失、下腿浮腫、仙骨部浮腫、腹水

    →  0 = 正常    1+ = 軽度     2+ = 中等度     3+ =高度

C上記をもとに3段階で評価する

良好  中等度栄養不良   高度栄養不良

但し、当院では、良好と中等度栄養不良の間に軽度栄養不良を加えて、より早い段階での栄養不良のリスクのある患者のフォローも行っています。

画像をクリックすると大きくなります