タグ別アーカイブ: クローン病

2011.07.05栄養学習会(IBD追加)

IBD(詳細版)

潰瘍性大腸炎の栄養療法:

血便と下痢が激しいときや巨大結腸症のリスクがある重症の場合には、TPNを選択して腸管の安静と栄養の補給をはかる(35~45kcal/kg/日またはBEE×1.2~1.3×1.1~1.3)。このTPN管理の際に、経腸栄養を併用すると完全緩解導入までの期間や在院日数が短縮する。経腸栄養剤については、小腸機能の低下がない場合には、消化吸収には問題ないことが多く、成分栄養剤から半消化態栄養剤、濃厚流動食まで特に制限はない。

潰瘍性大腸炎の緩解維持に食事療法の意義は少ない。

乳糖不耐症の合併があり、乳糖を含む食品を避ける。

治療薬、などによる消化吸収障害の合併があるので気をつける。

制酸剤…リン、鉄、ビタミンAと結合

H2ブロッカー…低酸状態では結合したビタミンB12が遊離しない

PPI…低酸状態では結合したビタミンB12が遊離しない、腸内細菌異常増殖

ステロイド剤…カルシウムの吸収阻害

メサラジン、サラゾスルファビリシン…葉酸の吸収阻害

刺激性下剤(センナ、ラキソベロン、レシカルボン坐薬など)…腸管腔からのウォッシュアウトと粘膜刺激により、脂肪、グルコースの吸収障害

アザチオプリン…絨毛を萎縮させて全ての栄養素の消化吸収障害を惹起

メトトレキセート…粘膜障害により葉酸、脂肪、ビタミンB12などの吸収障害

テトラサイクリン…管腔内にカルシウムが沈着して吸収障害

アルコール摂取により、粘膜障害による脂肪、グルコース、ビタミンB12、B1、葉酸の吸収障害をきたす。

炎症の重症度と相関してビタミンA、Eの低下がある。

消化管出血の持続による慢性鉄欠乏の可能性がある。

下痢の持続により、亜鉛やMg、Kが欠乏しやすい。

水溶性食物繊維による再燃予防効果および症状の改善が期待され、緩解期には高食物繊維食(20g以上/日)が有効との報告もある。

プレ・プロバイオティクスの有効性も期待される。

Germined Barley Foodstuff(麦芽のアロイロン層や胚芽からなる食品)

Nissle 1917(非病原性大腸菌)、VSL#3(Lactobacillus、Bifidobacteriumなどの生合剤)

n-3系脂肪酸の効果も期待される(逆に、過度なn-6系脂肪酸の摂取は避ける)。ステロイド減量にも有効。

✓ 癌化予防に葉酸摂取が有用。
クローン病の栄養療法

成分栄養剤を用いた経腸栄養は、病勢の鎮静化と栄養状態の改善に有用であり、治療の第一選択である。重症例では腸管の安静を保ちかつ栄養を補給すること、さらには増悪因子となる食事性蛋白抗原や刺激物質を避ける目的でTPNを施行するが、早期より経腸栄養への移行を図る(25~35kcal/kg/日、重症例で40kcal/kg/日、たんぱく質1.0~1.5g/kg/日)。

<クローン病患者の栄養状態>

体重減少         65~75%

低Alb血症        25~80%

負の窒素バランス       69%

貧血           60~80%

鉄欠乏            39%

ビタミンB12欠乏      48%

葉酸欠乏           54%

カルシウム欠乏        13%

マグネシウム欠乏     14~33%

カリウム欠乏        6~20%

ビタミンA欠乏        11%

ビタミンD欠乏        75%

その他、ビタミンC欠乏、ビタミンK欠乏、亜鉛欠乏、銅欠乏、セレン欠乏など

渡辺明治 日本病態栄養学会誌11:5-28、2008より引用

✓ 日本人の調査では、ビタミンB6、葉酸の欠乏頻度が高く、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンB12、ビタミンCの欠乏にも注意を要する。

✓ 日本人におけるクローン病発生の増加は、非植物性たんぱく質摂取の低下(動物性たんぱく質およびミルクたんぱく質の増加)と高度の相関を認める。

✓ n-6系多価不飽和脂肪酸の摂取増加と相対的なn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取低下にクローン病の発生は極めて高い相関を示す。

✓ 食物繊維の摂取量の低下もクローン病の発生を増加させた。

✓ 活動期でも、経口摂取可能な場合には、低脂肪、低残渣、高たんぱく、高カロリー食が基本となる。

✓ 緩解期の食事療法では、低脂肪が推奨(10g/日から開始し、病勢に応じて30g/日までアップ)。

✓ n-3系脂肪酸は緩解維持に有用(DHAの方がEPAより強力)。

n-6系脂肪酸から産生されるIL-6やTXB2、LTB4、PGE2などの産生抑制(抗酸化、抗炎症作用)

ストレス緩和作用

免疫機能活性化。

✓ 不足の予想されるビタミン、微量元素を補給していく。さらに、常に電解質のバランスにも配慮する。

✓ 低残渣食とする。不溶性の食物繊維は、腸管粘膜を刺激し、腹痛や下痢の原因となり、通過障害がある場合には投与しない。

✓ 小腸の乳糖分解酵素の低下があるため、乳製品は投与しない。

✓ 香辛料、刺激物も腸管運動を刺激するので控える。

✓ クローン病の痔瘻に対してクレメジン(腎不全用経口吸着炭素製剤)が有効。

✓ プロバイオティクスとして麹がクローン病の病態改善に有用。

✓ グルタミンが有用。

✓ 下痢の強い患者には、蓚酸の蓄積により腎・尿路結石の合併が高くなるので、低蓚酸食とする。

✓ 成分栄養使用患者には、必須脂肪酸欠乏に気をつける。

✓ 術前または術後に栄養療法を受けている患者群は、受けていない患者群に比較して有意に5年以内の再手術率が低下した。

<参考>

・ 2000kcal当たり脂肪3.4g含まれる成分栄養剤と55.6g含まれる半消化態栄養剤による緩解導入効果に効果に差がなかった(Sakurai T, I Parenter Enteral Nutri 26;98-103; 2002)。 → 脂肪制限の緩解導入効果に疑問?

・ 成分栄養治療の有効性にたんぱく質の量が影響しているとは考えられず、超低脂肪含有食の経腸栄養治療が有効な可能性はみられたものの、ステロイド治療より効果が劣っており、今後その意義をさらに明確にするために大規模な研究が望まれる(Zachos M  Cochrane Database Syst Rev 2007)。

・ 経腸栄養はクローン病の緩解維持に有用な可能性があるが大規模研究が必要(Akobeng Ak Cochrane Database Syst Rev 2007)。

・ n-3系脂肪酸は安全だが、クローン病における緩解維持効果が期待されるが現在それを示唆するデータがない(Turner D Cochrane Database Syst Rev 2009)。

2011.07.05栄養学習会(IBD)

IBDについて

IBDとは・・・炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)のことで、クローン病および潰瘍性大腸炎を含み、下痢および腹痛をもたらす消化管各部の慢性炎症を特徴とする、再発と寛解を繰り返す病態のこと。炎症は、消化管粘膜における細胞性免疫反応により生じると言われているが、正確な病因は不明である。

潰瘍性大腸炎

✓ 大腸に慢性的に炎症が生じ、潰瘍ができる原因不明の病気であり、病変部位は直腸を中心として、大腸全体にまで広がることもある。症状は血便、粘液便、下痢や腹痛などがあげられ、緩解と再燃を繰り返す慢性の病気である。これ以外の症状としては腹痛、発熱、食欲不振、体重減少、貧血などが加わることも多い。さらに関節炎、虹彩炎・結膜炎、膵炎、皮膚症状(結節性紅斑、
壊疽性膿皮症など)などの腸管外合併症を伴うことも少なくない。
定義:主として粘膜と粘膜下層を侵す、大腸特に直腸の特発性、非特異炎症性疾患。30歳以下の成人に多いが、小児や50歳以上の年齢層にもみられる。原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられている。通常血性下痢と種々の程度の全身症状を示す。長期にわたり、かつ大腸全
体を侵す場合には悪性化の傾向がある。
✓ わが国の罹患率や有病率は欧米に比べて低率ではあるが、1970年以降急激に増加している。発症年齢のピークは男性で20~24 歳、女性で25~29歳にみられるが、若年者から高齢者まで発症する。男女比は1:1で性差はみられない。患者数の推移を特定疾患医療受給者証交付件数か
らみると、平成20年度には104,721人が登録されており、毎年増加の一途を辿っている。
✓ 放射線照射歴、抗生剤服用歴、海外渡航歴などを聴取するとともに、細菌学的・寄生虫学的検査を行って感染性腸炎を除外する。次に直腸あるいはS状結腸内鏡検査を行って特徴的な腸病変を確認する。これだけの検査で多くは診断が可能であるが、必要に応じて注腸X線検査や全大腸内視鏡検査などを行って、腸病変の性状や程度、罹患範囲などを検査し、同時に他の疾患を除外する。

*除外疾患・・・細菌性赤痢、アメーバ赤痢、サルモネラ腸炎、キャンピロバクタ腸炎、大腸結核などの感染性腸炎、他にクローン病、放射線照射性大腸炎、薬剤性大腸炎、リンパ濾胞増殖症、虚血性大腸炎、腸型ベーチェットなど
治療

✓ 薬物療法は、主として重症度と罹患範囲に応じて薬剤を選択する。

直腸炎型・・・局所製剤として5-ASA製剤では、サラゾピリン®坐剤あるいはペンタサ®注腸を使用する。ステロイドを含む製剤ではリンデロン®坐剤またはプレドネマ®注腸、 ステロネマ®注腸を使用する。経口剤ではペンタサ®錠またはサラゾピリン®錠、あるいはアサコール錠を使用する。

左側大腸炎型・全大腸炎型

軽症:ペンタサ錠またはサラゾピリン、あるいはアサコール錠®の経口投与を行う。ペンタサ®注腸を併用すると効果の増強が期待でき、左測大腸の炎症が強い場合はステロイド注腸の併用が有効な場合がある。2週間以内に明らかな改善があれば治療を続け、可能ならステロイド注腸は漸減中止する。

中等症:基本的には軽症に準じるが、炎症反応や症状が強い場合は、プレドニゾロンの経口投与も考慮する。改善あれば漸減する。

重症:基本的には入院管理。当初よりプレドニゾロン(成人においては1~1.5mg/kgを目安)の経口投与あるいは点滴静注を追加し、さらに症状や状態に応じてペンタサ錠またはサラゾピリン®錠、アサコール錠®、及び注腸剤を併用しても良い。

上記の治療を行っても1~2週間程度で明らかな改善が得られない場合(ステロイド抵抗例)は、ステロイド強力静注療法、あるいは血球成分除去療法・シクロスポリン静注療法・タクロリムス経口投与・インフリキシマブ゙の点滴静注のいずれかの治療を行う。これでも改善見られなければ、外科手術を考慮する。

外科治療
内科的治療に反応せず改善がみられない、あるいは症状の増悪がみられる場合には手術適応を検討する。手術適応には、絶対的適応で
ある全身症状の急性増悪、重篤な急性合併症(大腸穿孔、中毒性巨大結腸症、大量出血)、大腸癌と、相対的適応である難治例のQOL障害例、重篤なステロイ
ド副作用が発現するおそれがある例、大腸外合併症、大腸合併症がある。近年、手術術式の進歩により肛門機能を温存できるようになり、術後のQOLも向上し ている。一般に発症時の重症度が重いほど、罹患範囲は広いほど手術率、死亡率が高くなるが、近年の報告では生存率は一般と比べて差がない
とする報告もみられる。手術理由は発症5年以内では激症例や重症例の内科治療無効例が多く、5年以降は慢性持続型などの難治例が対象となりやすい。

癌化
長期経過例では炎症を母地とした癌の発生(colitic cancer)を合併する例が存在する。発癌には罹病期間と罹患範囲が関係し、7~8年以上経過した全大腸炎型のリスクが高い。欧米の報告では癌合併のリ
スクは全大腸炎型で6.3%、左側大腸炎型で1.0%、直腸炎型ではリスクはないとされている。また累積癌化率は10年で0~5%、20年で8~23%、 30年で30~40%と推定されており、全大腸炎型の長期経過例に対しては癌合併のサーベイランスが重要となる。近年、症例対照研究で5-ASA製薬(メ サラジン)の継続投与が大腸癌のリスクを91%減少させるとともに、経過中の定期的な受診や下部内視鏡検査も大腸癌抑制の要因と報告されている。

クローン病

✓ 非連続性に分布する全層性肉芽腫性炎症や瘻孔を特徴とする消化管の慢性炎症性疾患。口腔から肛門までのどの部位にも病変を生じうるが、小腸・大腸・肛門周囲に好発する。若年で発症し、腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などの再燃・緩解を繰り返しながら慢性に持続するため、QOLは低下することが多い。

✓ 腸管外合併症として貧血、末梢関節痛・炎、強直性脊椎炎、口腔内アフタ、皮膚症状(結 節性紅斑、壊疽性膿皮症など)、虹彩炎、成長障害などがあり、長期経過例では腸管悪性腫瘍が問題となる。

✓ 好発年齢は10歳代後半から20歳代に多く、男性で20~24歳、女性で15~19歳にピークがみられる。男女比は約2:1で男 性に多い。人口対10万人の罹患率は0.51、有病率は5.85、家族内発症は1.5%。手術率は発症10年で70.8%である。平成20年度医療受給者
証交付件数でみると23,301人が登録されている。原因は不明。現在のところ遺伝的因子、環境因子(ウイルスや細菌などの微生物感染、腸内細菌叢の変化、食餌性抗原など)などが複雑に関与し、免疫系の異常反応が生じていると考えられている。

✓ 上記症状を認めた場合、血液検査や炎症反応、低栄養の有無、下部消化管内視鏡検査、注腸造影などを行い、CDに特徴的な縦走潰瘍、狭窄、瘻孔の有無を確認する。感染性腸炎を除外する検査も行い、合併症の診断ではCTやMRI検査等を行う。

治療

治療には重症度の把握が重要であるが、重症度と活動度が一致しないため的確な重症度の規定はあいまいである。初発・診断時や活動期には寛解導入を目的とした治療を行い、いったん寛解が導入されたら長期に寛解を維持する治療を行う。治療法には薬物療法、栄養療法などの内科的治療法と外科的治療法があり、単独であるいは組み合わせて治療法が選択される。

軽症~中等症:5-ASA製剤、大腸型ではサラゾピリン®が第一選択薬として用いられる。また、患者の受容性がある場合には、栄養療法も有用で通常900Kcal/日程度が使用される。

中等症~重症

薬物療法を主体とする場合:上記の治療に加えて、プレドニゾロン40mg/日程度(重症例では40-60mg/日)を投与。緩解導入に至ったら漸減する。ステロイドの離脱・減量が困難な場合は、アザチオプリン1~2㎎/㎏/日を投与。寛解導入療法が無効な場合はインフリキシマブやアダリムマブの投与を考慮する。これらの薬剤にはステロイドの減量・離脱効果もある。

栄養療法を主体とする場合:経腸栄養療法を行う。栄養剤は、成分栄養剤でも消化態栄養剤でも問題ない。下痢に注意しながら投与速度や量を調節し、30kcal/㎏以上を投与量の目安とする。成分栄養剤を投与する場合は、脂肪乳剤の点滴を週1~2回行う。

✽栄養療法及び既存の薬物療法が無効又は適用できない、大腸の病変に起因する明らかな臨床症状が残る中等症から重症の症例に対しては、寛解導入を目的として顆粒球吸着療法(GAM)を施行できる。

重症:病勢が重篤、高度な合併症を有する場合、外科的治療の適応の有無を検討した上で内科治療を行う。ステロイドの経口投与または静脈投与を行う。ステロイド抵抗例ではインフリキシマブの投与を考慮する。また経口摂取困難な場合や効果不十分な場合は、TPNを行う。

外科治療

外科治療の目的は、愁訴の原因となる合併症に外科的処置を加え、患者のQOLを改善することにある。

・絶対的適応:腸閉塞、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、癌合併

・相対的適応:症状を伴う狭窄(内視鏡的拡張術が有効な場合もある)、膿瘍、内瘻、外瘻のほか発育障害や内科治療無効例、肛門周囲膿瘍、排膿の多い有痛性痔瘻など

* クローン病の手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と高く、さらに手術後の再手術率も5年で28%と高率であることから、再燃・再発予防が重要である。診断後10年の累積生存率は 96.9%。
栄養について

活動期では、腹痛、下痢、発熱などがみられ、摂食量が減少し代謝は亢進する。また腸粘膜病変からのタンパク漏出、消化吸収障害なども合併するため、PEMの状態となる。必要カロリーは35~40kcal/kg、タンパク質は1.5~2.0g/kgが推奨されている。

潰瘍性大腸炎…小腸機能は保たれているため、消化吸収障害の程度はクローン病より強くない。重症や経口摂取が不足している場合は、消化態栄養剤や成分栄養剤の投与なども考慮する。薬物療法が主体となる。

クローン病・・・活動期には薬物療法を行い、寛解期となれば、合わせて成分栄養剤が投与される。必要カロリーのうち、1200kcal/日以上をEDで、残りを低脂肪食で摂取する方法は、寛解維持にすぐれた効果を発揮している。また1日摂取エネルギー量の30~50%相当を食事摂取可能な場合は、高エネルギー(標準体重×40kcal/日)、高ビタミン・ミネラル、低脂肪(20g以下、n-3系脂肪酸含む)、低残渣食(繊維摂取量5g以下)が原則であり、必要エネルギー量の60%以上を炭水化物で摂取することが望ましい。乳糖不耐症の合併が多く、注意が必要。蓚酸の摂取量が増加すると尿路結石に気をつける。

腸に適度の休息を与えるために、間食は控え、規則正しい時間に食事する。消化を助ける為に、よく噛む事も大切。また、安全食といえども、暴飲暴食は再燃の可能性が高まりますので注意する

成分栄養剤…窒素源がアミノ酸由来の栄養剤。脂肪含有量は極めて少ない。(ex.エレンタールⓇ)

消化態栄養剤…窒素源がアミノ酸またはペプチド由来の栄養剤。(ex.ツインラインⓇなど)

* 現在では、ペプチドはアミノ酸と別の吸収経路があることが確認されており、ブドウ糖と競合する可能性のあるアミノ酸の吸収経路とは別に小腸からの吸収が可能であり、小腸機能の低下した病態でもペプチドが主体の消化態、半消化態栄養剤が有利と言う考え方がある。

ちなみに・・・

5-ASA(アミノサリチル製剤):腸管内でのみ活性を有し,近位小腸で急速に吸収される。この中で最初の薬剤であるスルファサラジン(サラゾピリン)は,5-ASAの吸収を遅延させるためにサルファ剤の構造を有するスルファピリジンを結合させた化合物である。この化合物は,下部回腸および大腸の腸内細菌叢によって分解され,5-ASAを放出する。しかしサルファ成分は数多くの副作用(悪心,消化不良,頭痛)を引き起こし,葉酸の吸収を阻害する。メサラジンは副作用である消化器症状を軽減するためスルファピリジンを取り除いた薬剤である。また、近年遅延放出コーティングを使用したアサコールもよく使用されている。

✤ペンタサ・・・5-ASAを腸溶性のエチルセルロースの多孔性被膜でコーティングすることで、小腸から大腸までの広い範囲で放出されるように調節

✤アサコール・・・pH依存型の放出制御特性を持つコーティングが施されている。このコーティングは、pH7以上で崩壊する高分子ポリマーででできており、ペンタサに比べて、より下部の消化管(回腸末端~大腸)に到達してから5-ASAが放出。