HEIWAあらためスワローサポート

HEIWA(Hirabari Eiyou Information Working Association)からスワローサポートへ
たけうちファミリークリニック 武内有城
名古屋記念病院NSTは、2001年11月に肝臓外科専門だった筆者が始めた肝臓勉強会が発展して、医師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士などの多職種が形成する栄養勉強グループとなり、最終的に2003年12月に正式に病院からNSTプロジェクトとして認可されました。その後、管理栄養士が中心となって2011年7月に地域で栄養管理の連携統一を目的としたHEIWA(平針栄養インフォメーション・ワーキング・アソシエーション)を設立し、地域の施設や病院と一緒に栄養勉強会を定期的に開催しました。さらに、2012年6月に東海地区を対象とした栄養連携学習会を開催し、その際の管理栄養士からの呼びかけで、仲間が平針近辺から愛知県の施設・病院に拡大されました。時を同じくして、日本摂食嚥下リハビリテーション学会からの嚥下調整食の提案や、厚生労働省からの地連携パスなどの推奨があり、栄養連携と摂食嚥下を中心とした東海HEI和マニアという団体を、志を同じくする各団体と立ち上げて現在に至ります。


筆者は、栄養連携を開始した時から実際の在宅栄養に自ら携わりたいと考えていたため、2014年4月に名古屋記念病院を退職し、たけうちファミリークリニックを開院しました。そして、HEIWAをより発展させた形で「スワローサポート」という無料嚥下相談を開始し、職種や疾患に関わらず、嚥下相談を受けています。そして、この嚥下相談は、これらの活動から得た知識と人材をフルに活用して対応しています。以下が、最近の相談例です。
1. 誤嚥性肺炎にて入院した祖母が、慢性期病棟にてリハビリがうまくいかず、嚥下訓練などに疑問がある。特に、スタッフの指示に一貫性がなく不安。リハビリの内容や指示が正しいものか確認したいと、孫娘さんが相談。
2. 脳梗塞後遺症で嚥下困難があり、食事中のムセがひどく、食事量も低下してきた。主治医に相談したが、栄養剤が処方されたのみ。夫が心配し、自己判断で配食弁当の嚥下食を注文し、給食の管理栄養士さんから相談。
3. 脳梗塞で地域の急性期病院入院中だが、嚥下訓練を途中で打ち切って在宅医療を勧められた。紹介予定の診療所では、嚥下訓練は行っておらず、ケアマネから相談。
4. 誤嚥性肺炎で急性期病院に入院した患者が、嚥下困難の評価もなく、全粥食を退院後も食べ続けるように言われたとして、妻から相談。
5. 小学生で嚥下困難から嘔吐を繰り返し、食事量も低下し、ご両親から相談
6. 舌腫瘍手術後の嚥下困難だが、担当耳鼻科は異常なしと説明され、心配で本人相談。
7. 食道がん手術時の反回神経麻痺で誤嚥と嚥下困難も伴うため、娘さんが相談。
8. 薬剤性パーキンソニズムに伴う嚥下障害で、区役所職員から紹介。
9. 突然の失声でご家族が相談
10. COPDと嚥下困難で訪問看護師より相談
11. 食事に時間がかかるようになり、ご家族が相談
12. 整形疾患で入院していたが、嚥下が困難となって退院してきたので心配で娘さんが相談
13. 急性期病院に誤嚥性肺炎で入院中だが、転院先が嚥下リハビリできないので困っていると夫が相談      など

今後は、摂食嚥下に関する情報提供をし、少しでも多くの方に興味をもってもらい、適切な評価で適切な治療、訓練が可能な体制づくりを仲間たちと行っていきたいと考えています。筆者の役目は、病院で頑張っている仲間たちに、より患者に近い目線でアドバイスし、より患者に寄り添ったケアの提供、またはその環境づくりのお手伝いと考え、在宅の仲間募集中です。もちろん、東海地区を超えた地域での連携、栄養管理・摂食嚥下の日本統一も大きな目標です。個人病院でのボランティア活動には限界があるので、是非一緒に連携していただける診療所、施設、訪問看護、介護ケア事業所の皆さん声掛けお願いします。