脂肪乳剤の投与法解決2010

症例 肺炎で入院となり食事摂取不良1週間の栄養不良患者に対し脂肪乳剤の使用は?


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Q1 脂肪乳剤の適応・禁忌について

今回の症例のような肺炎などの炎症性疾患でも、重篤な凝固障害や敗血症でなければ、経口摂取が十分でない場合は積極的に脂肪乳剤を投与してもよいと考えられる。なお禁忌は血栓症・重篤な肝障害・重篤な血液凝固障害・高脂血症・ケトーシス、慎重投与は呼吸障害、重篤な敗血症となっている。海外では、急性膵炎と脳血管疾患も慎重に使用とされている。

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Q2 脂肪乳剤の1日至適投与量は、体重50kgの成人の場合、何gになるか?

成人の場合、1g/㎏/日を推奨している。最大 2.5g/㎏/day。体重50kgの成人なら50g/日(20%脂肪乳剤換算で100mL 2.5本~6本)。


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Q3 脂肪乳剤を点滴する場合の至適投与速度は?

できれば24時間かけて投与するのが理想だが、ボーラス投与の場合、日本では入山らのデータから、0.1g/kg/時間が推奨されている。ちなみにESPEN(欧州)では、0.03~0.125g/㎏/時間を推奨、最大0.2g/kg/時間の文献も引用されている。しかし海外の脂肪乳剤は、LCTにMCT(中鎖脂肪酸)が混ざったものを使用しており、LCTのみの本邦の投与方法とは必ずしも一致しないと考えられる。さらにASPEN(米国)もESPENと同様に0.125g/㎏/時間を推奨しています。


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以上より、当院では 体重50kgの成人なら20%脂肪乳剤換算で100mLの3時間前後を推奨。


Q4 脂肪乳剤の投与ルートに注意することは?

フィルター管理上、感染管理上の問題から末梢ルートを推奨している。脂肪乳剤に細菌が入ると爆発的に増殖するので感染には注意が必要である。脂肪乳剤はPVC(ポリ塩化ビニル)ルートやポリカーボネート三方活栓等を劣化させるので使用を避ける。当院では、TPN製剤は無菌調整しているので、フィルターを用いていない。TPNの場合には、側管から慎重に使用しているが、可能であれば末梢投与を推奨している。

脂肪乳剤の投与法解決2010」への3件のフィードバック

  1. とても大事なことが抜けているので、皆さんに警告です。

    脂肪乳剤は「精製卵黄レシチン」で大豆油を乳化させています。
    精製卵黄レシチンは精製といっても80%程度の精製率でタンパクを全部取りきれているわけでは有りません。

    卵アレルギーが強く出る方は、薬剤性肺炎を発症するかも知れません。卵白でなく、卵黄、また「精製」に騙されないよう、そして関連メーカーは添付文書や製品現物にキチンとその旨、記載すること。私はそう言い続けています。

    卵アレルギーは胃ろうなどでエンシュアなどでの食事が長引くといつの間にかなっていてもおかしく有りません。(エンシュアは卵タンパク、ゼロ)

    イントラを入れて呼吸がおかしいと感じたら、ただちに中止!!
    要注意です!

  2. ご指摘ありがとうございます。アレルギーは栄養管理において、非常に重要な要素なので、みなさんで共有したいと思います。

  3. お返事有り難うごさいました。

    アレルギーというのは本当に複雑なもので、恐らくは大袈裟ですが、人類総力をあげての闘いになるでしょう。「癌」との闘いよりも長引くかも知れませんね。

    お知らせした通り、「経腸栄養剤」の長期摂取は体質を変容させてしまいます。タンパク質が限定されているからです。カゼインと大豆蛋白以外の蛋白質は異物と体が認識する様になるからかも知ませんね。

    このことに気付いている方は、まだほとんどいません。・・・間違いかも知れませんが蓋然性は高いと思っています。

    胃ろう患者が体調崩して輸液管理になっての院内肺炎の多くがこのパターンだったかも知れない。また、このままでは患者が増え続けるかもしれません。

    知らない内に「卵アレルギー」→イントラ→薬剤性肺炎→抗生剤→効かない→多臓器不全。

    有り得ますよ。私の母がそうでした。最期は急性腎不全でした。

    有り得る事なら、社会に警鐘鳴らさなければならないかも知れませんね。

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