カテゴリー別アーカイブ: 医療従事者向け情報

日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(要約)2017年3月25日

日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(要約)

日本集中治療医学会重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員会 日集中医誌 2016;23:185-281.

 

  1. 栄養療法の開始
  2. 栄養管理の必要性

CQ1: 重症患者に対して栄養管理は必要か?

A1:重症患者の病態や病期に応じた栄養管理を行うことを強く推奨する。(1D)

  1. 栄養状態の評価

CQ2:栄養評価に適した指標はあるか?

A2:栄養療法開始前にスクリーニングによる栄養障害やリスクを同定するべきだが,信頼性の高い評価指

標がない。(1D)

✓SGAによるスクリーニングは有用だが、重症度の評価は総合的に判断すべき。

  1. 栄養投与ルート

CQ3: 栄養投与ルートは,経腸と経静脈のどちらを優先するべきか?

A3:経腸栄養を優先することを強く推奨する。(1A)

✓経腸栄養を行うという行為は,静脈栄養のそれに比べて最終的な転帰の改善には至らないが,感染症の抑制や病院滞在期間の短縮,医療費の面で優位性がある。

  1. エネルギー消費量とエネルギー投与量

CQ4-1: エネルギー消費量の推定はどのような方法で行うか?

A4-1:間接熱量計での測定結果,もしくは推算式による算出に基づいて設定することを強く推奨する。(1D)

CQ4-2: 目標エネルギー投与量をどのように設定す

るか?

A4-2:急性期の初期1週間は,エネルギー消費量よりも少なく投与することを弱く推奨する。(経腸栄養:2B)(静脈栄養:推奨なし,unknown field)

✓急性期の栄養はエネルギー消費量よりも少なく投与することが望ましいと考えられる。しかし,至適な投与量は未確定である。

  1. 蛋白投与量

CQ5:蛋白投与量はどのように設定するべきか?

A5:至適蛋白投与量は不明である。(unknow field)エネルギー投与量が目標量に達している場合は,1.2〜2.0 g/(実測体重)kg/dayの蛋白が喪失していることを考慮したうえで,蛋白投与量を設定することを弱く推奨する。(1C)

  1. 経腸栄養
  2. 経腸栄養の開始時期

CQ1:経腸栄養の開始時期はいつが望ましいか?

A1:重症病態に対する治療を開始した後,可及的に24時間以内,遅くとも48時間以内に経腸栄養を開始することを推奨する。(1B)

  1. 不安定な循環動態

CQ2-1:不安定な循環動態での経腸栄養は可能か?

A2-1:高容量の昇圧薬投与,大量輸液,大量輸血が必要な場合など,循環動態不安定な患者に対しては,蘇生されて血行動態が安定するまでは経腸栄養の開始を控えることを弱く推奨する。(2C)

Q2-2: 循環不全時の経腸栄養投与時の注意点は何か?

A2-2:投与する場合は,栄養投与中のショックあるいは非閉塞性腸管壊死などの発症に留意し,その徴候

を認めた場合には経腸栄養を中断することを強く推奨する。(1D)

  1. 栄養チューブの留置位置の選択と経十二指腸チューブの挿入法

CQ3-1: 経腸栄養施行の際,経胃投与よりも,十二指腸以遠から投与されるべきか?

A3-1:誤嚥のリスクがある症例では幽門後からの経腸栄養を考慮することを弱く推奨する。(2C)

CQ3-2:十二指腸以遠への栄養チューブ挿入法は?

A3-2:内視鏡ないし造影下にて行う十二指腸以遠への栄養チューブ挿入はどちらも有効であり,各施設で慣れた方法で行うことを弱く推奨する。どちらでも選択できる場合は細径の内視鏡による留置を挿入時間が短時間である点から推奨する。

成人で盲目的に行う場合は空気を注入する方法を弱く推奨する。(2D)

胃蠕動が低下している症例では胃蠕動促進薬の使用を弱く推奨する。(2D)

小児では胃蠕動促進薬を使用しないことを弱く推奨する。(2D)

  1. 経腸栄養の目標投与エネルギー量

CQ4: 入室後早期の経腸栄養の至適投与エネルギー量は?

A4-1:重症化以前に栄養障害がない症例では,初期の1週間は消費エネルギーに見合うエネルギー投与量

を目指さないことを弱く推奨する。(2D)

ただ,至適投与量に関しては,消費エネルギーの1/4程度,500 kcal/day程度の研究があるが,推奨で

きる結論は出ていない。(unknown field)

A4-2:重症化以前に栄養障害がある症例では,至適投与量は不明である。

しかし,エネルギー負債が大きくなり過ぎない程度の投与量は必要である。(unknown field)

✓エネルギー消費量の1/4もしくは500kcal/day程度(20kcal/hr程度) までの経腸栄養を投与する低容量経腸栄養の理論的背景としては,消費エネルギーに見合わない投与量であるが,腸管粘膜の保全効果,刷子縁での酵素の分泌を刺激する,免疫能を保ち,上皮細胞のtight cell junctionを保ってバクテリアルトランスロケーションを防ぐと言われている。

  1. 静脈栄養
  2. 静脈栄養の適応

CQ1:静脈栄養の適応患者は?

A1:重症化前に低栄養がない患者において,初期1週間に経腸栄養が20kcal/hr以上投与できれば,目標量達成を目的とした静脈栄養を行わないことを弱く推奨する。(2B)

✓初期1週間において,持続的な経腸栄養によるエネルギー投与量量が平均20kcal/hr未満の患者では,目標量達成を目的とした静脈栄養を行ってもよい。なお,経腸栄養を間歇的に投与する場合の静脈栄養併用に関する研究はない。

  1. 静脈栄養の開始時期

CQ2:静脈栄養の開始時期は?

A2:持続的な経腸栄養によるエネルギー投与量が平均20kcal/hr未満の症例での静脈栄養の開始時期は明確ではない。(unknown field)

  1. 静脈栄養の目標エネルギー投与量

CQ3:静脈栄養のエネルギー投与量は?

A3:急性期における静脈栄養の至適エネルギー投与量は明確ではない。(unknown field)

  1. 静脈栄養の組成

CQ4:静脈栄養時の組成はいかにすべきか?

A3:静脈栄養を実施する場合にはブドウ糖輸液単独では行わないことを弱く推奨する。(1C)

  1. ビ タ ミ ン, 微 量 元 素, セ レ ン,refeeding syndrome

CQ5: ビタミン,微量元素の投与を重症度の高い集中治療患者に行うべきか?

A5:重症度の高い集中治療患者への総合ビタミン剤,微量元素製剤の通常量の投与を強く推奨するが,投与

推奨量を決定する十分なデータはない(1B)

Refeeding syndromeを起こすことが予測される患者には血中リン,マグネシウム,カリウムのモニタリ

ングを推奨する。(1C)

  1. 静脈栄養時の投与ルート(中心静脈,末梢静脈)

CQ6: 静脈栄養時に,中心静脈アクセスを使用すべき場合は?

A6:中心静脈ルートは,浸透圧比3以上の輸液製剤を用いる場合に使用することを強く推奨する。(1D)

✓)15%未満のブドウ糖液,アミノ酸製剤,脂肪乳剤の浸透圧比は3未満であり末梢ルートから投与可能である。また,ビタミン製剤,微量元素は希釈輸液剤の浸透圧比が3未満であれば末梢ルートからも投与可能である。

  1. 経腸栄養耐性の評価
  2. 腸管蠕動の確認

CQ1: 経腸栄養を開始の条件として腸管蠕動があることを確認するか?

A1:腸管蠕動の確認を経腸栄養開始の条件としないことを強く推奨する。(1B)

  1. 経腸栄養耐性の評価方法

CQ2: 経腸栄養に対する耐性(継続できるか?)のモニタリングはどのようにするか?

A2:患者の経腸栄養に対する耐性として,疼痛や腹部膨満感の訴え,理学所見,排ガス・排便,腹部X線

写真などをモニタリングする。経腸栄養の不適切な中止を避ける。

不耐性を示す他の徴候がない場合,随時確認した胃内残量<500mlであれば経腸栄養を中断しない。

不適切な栄養投与や麻痺性イレウスの長期化を防ぐために,診断や処置に伴う絶食期間を最小限にとどめる。

以上のことをすべて弱く推奨する。(2C)

  1. 経腸栄養投与量の増量の方法

CQ3: 経腸栄養を投与目標量まで増量するための方策は?

A3:目標量の達成度を高めるために,経腸栄養療法プロトコールを使用することを弱く推奨する。(2C)

✓:①目標注入速度の設定,②より早期の経腸栄養開始法,さらに③胃内残量,④チューブフラッシュの

頻度,⑤栄養投与を調節・中止する状態,⑥合併症の取り扱いに関する指示,を定めた看護師などICUス

タッフが運用するプロトコールを使用することで,投与される目標量の達成度が上昇することが示される。

  1. 経腸栄養と誤嚥

CQ4: 経腸栄養中の誤嚥の危険度を下げるために行うことは?

A4:経腸栄養施行中は逆流や誤嚥のリスクを評価し,逆流や誤嚥のリスクが疑われる症例ではリスクを低減

するための手段を講じることを推奨する。

A4-1:経腸栄養を行っている全ての気管挿管患者では,ベッドの頭側(上半身)を30〜45°挙上することを弱く推奨する。(1C)

A4-2:誤嚥のハイリスク患者や経胃投与に不耐性(行うことが困難)を示す患者に対しては,経腸栄養が間欠投与で行われている場合は持続投与に切り替えることを弱く推奨する。(2C)

A4-3:誤嚥のハイリスク患者や経胃投与に不耐性を示す患者に対しては,投与可能であれば,腸管運動促進薬(メトクロプラミドやエリスロマイシン)や麻薬拮抗薬(ナロキソン)などを開始することを弱く推奨する。(2D)

A4-4:誤嚥のハイリスク患者や経胃投与に不耐性を示す患者に対しては,幽門後経路による栄養投与への切り替えを考慮することを弱く推奨する。(2C)

A4-5:人工呼吸器関連肺炎のリスクを低減するために本邦で使用できる濃度の口腔洗浄用クロルヘキシジンによる口腔洗浄は行わないことを強く推奨する。(1C)

✓口腔洗浄に用いるクロルヘキシジンはグルコン酸クロルヘキシジンである。クロルヘキシジン洗口液の濃度について,欧米では0.12〜0.2%で有効性が報告されているのに対し,本邦で使用できる濃度は欧米の1/100の低濃度(0.002%以下)である(2015年4月現在)。本邦で使用できる濃度では,口腔内細菌に対する有効性はないといわれている。なお,口腔洗浄用のグルコン酸クロルヘキシジンと,消毒用として市販されているクロルヘキシジン(クロルヘキシジンアルコール)とを混同しないように注意が必要である。消毒用のクロルヘキシジンアルコールは欧米では2%,本邦では1%の濃度のものが市販されているが,いずれも口腔洗浄用のグルコン酸クロルヘキシジンに比べて高濃度である。

  1. 下痢の発生時の対応

CQ5:下痢が発生した場合に何をするべきか?

A5:原因の詳細な評価を行い,その結果に基づいて対応することを強く推奨する。(1D)

  1. 特殊栄養素
  2. アルギニン

CQ1: アルギニンを強化した免疫調整栄養剤を重症度の高い集中治療患者に対して使用してもよいか?

A1:アルギニンを強化した免疫調整栄養剤を重症度の高い集中治療患者に対して使用しないことを弱く推

奨する。(2C)

  1. グルタミン

CQ2: グルタミンを強化した経腸栄養の投与の適応は?

A2-1:グルタミンを強化した経腸栄養の投与を熱傷と外傷患者で考慮することを弱く推奨する。(2B)

A2-2:ショック,多臓器障害を呈する場合は,グルタミンを強化した経腸栄養の投与は控えることを強く

推奨する。(1A)

  1. n-3系多価不飽和脂肪酸

CQ3-1: ARDS 患者に対してn-3系脂肪酸(EPA),γリノレン酸,抗酸化物質を強化した経腸栄養剤使用を考慮するか?

A3-1:ARDS患者に関してはn-3系脂肪酸(EPA),γリノレン酸,抗酸化物質を強化した経腸栄養剤使用を弱く推奨する。(2B)

CQ3-2: Sepsis/severe sepsis/septic shockの患者に対して,n-3系脂肪酸(EPA),γリノレン酸,抗酸化物質を強化した経腸栄養剤の使用を考慮するか?

A3-2:Sepsis/severe sepsis/septic shockの患者に関してはn-3系脂肪酸(EPA),γリノレン酸,抗酸化物

質を強化した経腸栄養剤の使用を考慮することを弱く推奨する。(2B)

  1. 食物繊維(可溶性と不溶性)

CQ4:食物繊維は投与するか?

A4:可溶性繊維は下痢で難渋する症例には使用を考慮することを弱く推奨する。(2C)

不溶性繊維は重症患者全般に使用を避けることを弱く推奨する。(2C)

✓食物繊維とは,人の消化酵素によって消化されない,食物に含まれている難消化性成分の総称で,大

きく可溶性食物繊維(soluble dietary fiber, SDF)と不溶性食物繊維(insoluble dietary fiber, IDF)に分けられる。期待される効果としては他のプレバイオティクス製剤と同様である。SDF には,ペクチン,グアーガム加水添加物,ポリデキストロース,グルコマンナンなどがあり,IDF にはセルロース,ヘミセルロース,リグニン,キチン,グルカンがある。

  1. 半消化態栄養剤と消化態栄養剤(ペプチド型栄養

剤)

CQ6: 重症患者に対して,ペプチド型栄養剤による経腸栄養と半消化態栄養剤のどちらが優先されるべきか?

A7:どちらを用いてもよい。(2C)

  1. 補足的治療
  2. 選 択 的 消 化 管 除 菌(selective digestive decontamination, SDD)および選択的口腔内除菌

(selective oral decontamination, SOD)

CQ1:SDDとSODを行うべきか?

A1:SDDとSODを行わないことを弱く推奨する。(2A)

  1. プ レ/ プ ロ/ シ ン バ イ オ テ ィ ク ス(pre/pro/synbiotics)

CQ2: プレ/ プロ/ シンバイオティクスを投与するか?

A2:プレ/プロ/シンバイオティクス製剤は使用を弱く推奨する。(2B)

ただし重症急性膵炎では投与しないことを弱く推奨する。(2B)

  1. 抗潰瘍薬

CQ3-1: 消化管出血予防はどのような患者に行うか?

A3-1:消化管出血予防は出血リスクのある患者に行うことを弱く推奨する。(2C)

CQ3-2: 消化管出血の予防目的で,抗潰瘍薬を使用するか?

A3-2:消化管出血の予防目的で,抗潰瘍薬を投与することを弱く推奨する。(2A)

CQ3-3:抗潰瘍薬の選択はどうすればよいか?

A3-3:

1)出血予防効果が副作用より高いと考えられる患者にはヒスタミンH 2 受容体拮抗薬あるいはプロトン

ポンプ阻害薬(PPI)の使用を弱く推奨する。(1A)

2)出血のリスクがあまり高くないと考えられる患者ではスクラルファートなどの胃粘膜保護薬の使用

を弱く推奨する。(1A)

3)出血リスクがなく,経腸栄養を行っている患者では予防投与をしないことを弱く推奨する。(2A)

  1. 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids,BCAA)

CQ4:BCAA richな静脈栄養の投与はするか?

A4:一般的に重症患者に対するBCAA richな静脈栄養の投与はしないことを弱く推奨する。(2B)

  1. 高脂肪/低炭水化物(high fat and low CHO)栄養剤

CQ5: 高脂肪/低炭水化物(high fat and low CHO)栄養剤は重症患者に投与するか?

A5:高脂肪/低炭水化物栄養剤(high fat and low CHO)を重症患者に対してルーチンに使用しないことを弱く推奨する。(2D)

  1. 脂肪乳剤

CQ6-1:脂肪乳剤の投与速度と投与量は?

A6-1:脂肪乳剤投与に関して,投与速度は0.1〜0.2 g triglycerides/kg/hrまで,投与量は0.7〜1.5g/kg/dayを超えないようにすることを弱く推奨する。(2C)

CQ6-2: 脂肪乳剤はいつ,どんな種類のものを投与するか?

A6-2:

1)経腸栄養が施行できていれば,大豆由来の脂肪乳剤の投与を控えることを弱く推奨する。(2C)

2)経腸栄養が施行できていない場合,静脈栄養が10日間以内であれば,大豆由来の脂肪乳剤の投与は控えることを弱く推奨する。(2C)

3)経腸栄養が施行できていない場合,静脈栄養が10日間以上であれば,大豆由来の脂肪乳剤を投与するべきであるが,至適な投与量に関する根拠は不十分である。(unknown field)

4)栄養不良が基にある重症患者では,大豆由来の脂肪乳剤を投与するべきであるが,至適な投与量に

関する根拠は不十分である。(unknown field)

  1. 東洋医学的アプローチ

CQ7-1: 消化管運動の改善のために漢方薬の投与を行うか?

A7-1:消化管運動の改善目的での漢方薬の使用に関する推奨は,結論を出すには充分なエビデンスがない。(unknown field)

CQ7-2: 消化管運動の改善のために鍼治療を行うか?

A7-2:消化管運動改善に鍼治療が有効である根拠は不十分である。(unknown field)

  1. 血糖管理
  2. 血糖目標値

CQ1:目標血糖値はいくつにすべきか?

A1:180mg/dl以上の高血糖を呈した場合,血糖値を低下させるためにインスリン投与を開始する。血糖値

のコントロールを行う際には, 目標血糖値は180mg/dl以下とし,血糖値を80〜110mg/dlに維持する強化インスリン療法は行わないことを強く推奨する。(1A)

  1. 血糖コントロール

CQ2:血糖値測定をどのようにすべきか?

A2:

1)経静脈的インスリン療法を受けているすべての患者は血糖値とインスリン投与量が安定するまで1〜2時間ごとに,安定したのちは4時間ごとに,血糖値を測定することを強く推奨する。(1C)

2)毛細管血を使用した簡易血糖測定法は血液ガス分析器による血糖測定と比較して測定誤差が大きく,正確性に欠けるため,血液ガス分析器による血糖測定の使用を強く推奨する。(1B)

3)血液ガス分析器による血糖測定でも測定誤差が生じるため,適宜中央検査室での血糖測定を行い,その正確性を確認することを強く推奨する。(1B)

  1. 経腸栄養療法中の患者管理
  2. 胃管の位置確認

CQ-1: 留置された胃管の位置確認はどのように行うか?

A-1:胃管を留置あるいは再留置した場合,X線による確認を行うことを強く推奨する。(1D)

  1. 胃内残量の管理

CQ2:経腸栄養を継続しても良い胃内残渣量は?

A2-1:胃内残量が500 ml以内であれば経腸栄養を中断しないことを弱く推奨する。(2C)

  1. 経腸栄養投与中の体位

CQ3: 気管挿管患者の経腸栄養投与中の体位はどのようにすべきか?

A3-1:経腸栄養中は30〜45°のセミファーラー位を維持することを強く推奨する。(1C)

  1. 経腸栄養の間欠投与と持続投与

CQ4: 経腸栄養は間欠投与と持続投与のどちらがよいか?

A4:重症患者への経腸栄養投与は可及的に持続投与で行うことを強く推奨する。(1C)

  1. 経腸栄養投与の開放式システムと閉鎖式システム

CQ5: 経腸栄養投与法として開放式システムと閉鎖式システムのどちらがよいか?

A5:開放式システムと閉鎖式システム両者いずれが栄養剤の感染による下痢の予防に有効であるかを示す

十分な根拠がない。(unknown field, D)

  1. 便失禁管理システム

CQ6: 経腸栄養管理中の激しい下痢に対して便失禁管理システムを使うか?

A6:経腸栄養管理中の激しい下痢に対しては,便失禁管理システムを使うことを弱く推奨する。(2D)

  1. 栄養チューブの口径と誤嚥

CQ7: 栄養チューブは,誤嚥防止のために,可及的に口径が小さいものを選択するか?

A-7:栄養チューブは,誤嚥防止のためには,可及的に口径の小さなチューブを選択することを弱く推奨する。(2D) ただし,胃内残量を測定する場合には口径の太いチューブが必要となる。

  1. 胃瘻の適応

CQ8: 長期間の経鼻経管栄養を必要とする患者に胃瘻を造設するか?

A9:長期間の経鼻経管栄養を必要とする患者に対し,胃瘻の造設をしないことを弱く推奨する。(2D)

  1. 静脈栄養療法中の患者管理
  2. 中心静脈カテーテル挿入時の感染防御

CQ1: 中心静脈カテーテル挿入時の感染防御に有効な方法は?

A1:中心静脈カテーテルの挿入時に,マキシマムバリアプレコーションを実施することを強く推奨する。(1A)

  1. 中心静脈カテーテルの留置部位の選択

CQ2: 中心静脈カテーテル挿入部位はカテーテル感染発生に影響するか?

A2:中心静脈カテーテル関連血流感染(catheter- related bloodstream infection)の発生率は,マキシマムプリコーションを行えば内頸静脈,鎖骨下静脈,大腿静脈のどの部位を選択しても変わらない。(2B)

  1. 静脈カテーテルの交換

CQ3:静脈カテーテルの交換時期は?

A3:中心静脈カテーテルはカテーテル血流関連感染が疑われる場合のみ交換する。末梢静脈カテーテルは点滴漏れや感染など臨床的に問題がない限り,72〜96時間ごとの交換はしない。(2C)

第3章 栄養管理の実際:小児

  1. 栄養療法の必要性
  2. 栄養投与の必要性

CQ1:栄養不良の予後への影響と対処方法は?

A1:

1)栄養不良は予後に影響する可能性がある。(2C)

2)しかし、対処方法については未解決である(unknown field, C)

  1. 栄養評価
  2. 栄養評価の必要性

CQ1:栄養評価はどのように行うか?

A1-1:ICU入室前および,入室後経時的な栄養評価を行うことを弱く推奨する。(2D)

  1. 栄養評価指標の有無

CQ2:客観的な栄養評価指標として何を使うか?

A2:客観的な栄養評価指標はない。(unknown field,D)

  1. エネルギー投与量
  2. 栄養消費量の推定

CQ1:エネルギー消費量はどのように推定するか?

A1:間接熱量計を用いてエネルギー消費量を計測し,なければ予測計算式を使うことを弱く推奨する。(2C)

  1. 栄養投与量の決定

CQ2:エネルギー投与量の決定はどのように行うか?

A2:至適エネルギー投与量に関する十分なエビデンスはない。(unknown field, C)

  1. 三大栄養素(多量栄養素):炭水化物,蛋白質,脂質
  2. 三大栄養素の投与量

CQ1:炭水化物,蛋白質,脂質の投与量は?

A1:それぞれの各投与量を推奨する十分なエビデンスはない。(Unknown field, C)

  1. 栄養投与ルート
  2. 栄養投与ルートの決定

CQ1:経腸栄養,静脈栄養どちらを選択するか?

A1-1:腸管が機能しているならば経腸栄養を行うことを弱く推奨する。(2D)

A1-2:経腸栄養施行上の障害を取り除くことを弱く推奨する。(2D)

  1. 栄養投与ルート
  2. 栄養投与ルートの決定

CQ1:経腸栄養,静脈栄養どちらを選択するか?

A1-1:腸管が機能しているならば経腸栄養を行うことを弱く推奨する。(2D)

A1-2:経腸栄養施行上の障害を取り除くことを弱く推奨する。(2D)

  1. 免疫調整経腸栄養剤
  2. 免疫調整経腸栄養剤: immuno-modulating diet

CQ1:免疫調整経腸栄養剤の投与を行うか?

A1:免疫調整経腸栄養剤を投与しないことを弱く推奨する。(2B)

  1. 血糖管理
  2. 血糖の目標値

CQ1:血糖値の目標値はどのように設定するか?

A1:215 mg/dl以下を目標とし,強化インスリン療法は行わないことを強く推奨する。(1A)

  1. 経腸栄養投与プロトコール,チーム医療
  2. 経腸栄養投与プロトコール,チーム医療(NST)の

意義

CQ1: 経腸栄養プロトコールやチーム医療の意義は何か?

A1:より早く目標エネルギー投与量に達する手段として,栄養サポートチーム(nutrition support team,NST)の介在や,積極的な経腸栄養プロトコールの使用を弱く推奨する。(2D)

末梢栄養点滴の考察(2016年7月24日)

80歳女性寝たきり 身長140cm 体重35kg 病名:老衰

この患者さんに、ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸輸液を有効に投与するために・・・
Harris-Benedictの式
BEE 860kcal 活動係数1.0 ストレス係数1.2  必要エネルギー量 1032kcal/日


データ1:
35kgの総蛋白質量 体重×16% 5.6kg 5600g その半分2800gが筋蛋白
1日の必須タンパク質喪失量 54mg/kg/日 体重35kgで1.89g/日 約2g/日
ちなみに、Gambleスタディ
タンパク質節約効果を期待するには、ブドウ糖100g/日が最低量 これで節約効果1/2
ブドウ糖はこれ以上投与してもタンパク質節約効果がないとされる
全くの飢餓でタンパク質400g/6日で喪失
すなわち、6日間で412gタンパク質喪失するので40.7日で筋蛋白質全て失うことになる
ブドウ糖100g投与(それ以上いくら投与しても同じ)で、
212g/6日タンパク質喪失(35.3g/日)
すなわち、80.3日で筋蛋白はなくなる計算
このデータとみごとに一致するのが、35kgの人が筋蛋白を維持するのに必要な蛋白質必要量は1g/kg/日にて35g/日


データ2:
非タンパク質カロリー窒素比 150の事実
すなわち、投与窒素が全て筋蛋白に使用されるためには、その他の栄養素(主に糖質)で150倍カロリー量が投与される必要があり。35gのタンパク質の総窒素量は5.6gなので
つまり、5.6×150で840kcal/日必要となります。
ビーフリード4本+20%脂肪乳剤1本でギリ(計800kcal)。ちなみに体重35kgに輸液2000mL施行する人はいません。体重35kgの高齢者に推奨する輸液量は×25-30mL
で875~1050mLですよね。

以上から、
ビーフリード1本(210kcal、ブドウ糖37.5g150kcal、タンパク質15g、窒素2.35g)/日の投与でタンパク質節約効果が期待できる人は・・・
必須喪失タンパク質2g/日+1日喪失予想タンパク質35g/日の合計37g/日をおぎなうために、投与タンパク質がすべて筋蛋白合成に使用される必要があり。そのためには、37÷6.25=5.92gの窒素×150=888kcalの非タンパク質カロリーを確保する必要があり、ビーフリード150kcal以外にタンパク質以外で738kcalを必ず経口摂取している(条件1)。
筋蛋白崩壊を1/2にするために、ブドウ糖100g投与が必須なので、62.5gのブドウ糖を必ず経口で摂取していること(条件2)
最後に、さらに22g/日のタンパク質を必ず経口摂取していること(条件3)
これらの条件を全て満たすには、定食を毎日1食欠かさず食べている患者さん、もしくは毎回食事摂取量が3割の人になります。それだったら、栄養ドリンクなら、エネーボ2本+α
そこまでのめたら、エネーボ3缶でコンプリート
もし、どうしても末梢点滴だけでなら、譲歩してビーフリード2本+イントラリピッド20%2本でもやはり難しい?

アミノ酸の有効利用は難しいですね。ご意見お待ちしています。

摂食嚥下障害患者に対する栄養療法(2016年4月29日)

1. 脳卒中患者の摂食嚥下障害に対する栄養療法

✓早期に経腸栄養を開始した患者(1週間以内)は、静脈栄養を行って経腸栄養の開始

が遅れた患者に比べて、6か月後の死亡率が低かった(42.4% vs 48.1%)。

✓経鼻胃管の口径は逆流には関係しないが、太いチューブは訓練に影響する。

✓PEGに関しては、発症後7~10日以内の急性期に行った群の方が、経鼻経管栄養を行った群よりも死亡率が高く、機能予後も悪かったという報告あり。これに対して、1か月後にPEG栄養を開始した患者は、経鼻経管栄養患者に比較して栄養状態も予後もよかったとの報告あり。したがって、PEGの実施は、先ず細径の経鼻経管栄養を行いつつ、嚥下訓練の効果をみながら、長期が予想される場合に1か月を目安に施行する。

✓亜急性期は経腸栄養を中心に栄養管理を行い、摂食・嚥下機能評価を行って安全に経口摂取に移行することを目指す。

✓慢性期は経口摂取への移行が望ましいが、経腸栄養が長期になる場合や摂食・嚥下障害が強い場合は胃瘻などを活用する(食べるためのPEG)。

✓急性期(発症から1週間以内)は、静脈栄養のみ。亜急性期(発症から3,4週間以内)の神経症状が安定するまでは、状態に応じた栄養管理とリハビリを開始する。発症後1ヶ月以降の慢性期は嚥下の評価を行い、長期方針をたてる。

急性期(発症または手術後3~4日)・・・脳浮腫がピークとなり、約1週間で軽快する。脳の治療を優先しながらPPNを行い、できるだけ早期より(3~4日目)経腸栄養を開始する。脳圧亢進などのために嘔吐が続くときには、経口摂取は避ける。

亜急性期(発症後または手術後3~4週間)・・・できる限り経口摂取を進めていくが、嘔吐や合併症のために困難な場合はTPN、摂食・嚥下障害があれば評価を行い、訓練を開始する。PPNから経口摂取、経腸栄養へ移行していく。

慢性期・・・神経症状が固定する時期で、意識状態や嚥下機能で栄養療法を決定していく。経口摂取が不十分であれば、ENを行うが、長期の場合にはPEGを考慮する。

2. 認知症の摂食嚥下障害に対する栄養療法

✔ 認知症患者の摂食嚥下障害の有病率は、13~57%とされる。

✔ 認知症患者は、病状の進行とともに摂食嚥下障害の合併が見られるようになる。

✓ 認知症の摂食嚥下障害の具体例

食べない、口を開けない

食べることを忘れる

食べるものが認知できない

食べるための準備(買物、調理など)ができない

食事に集中できない、中断する、停止する

他のものに気を取られる、固執する

他人の食事が気になる、とってしまう

食べ物以外のものを食べてしまう

食事の速度がはやい、口に詰め込む

お箸や食器が使えない、手づかみや直接口で食べる など

✓ 各認知症の病態に応じた対応(認知症の栄養管理参照)

http://www20.atpages.jp/hospynst/?page_id=1518

✓ 認知症の摂食嚥下障害に対して、特殊な栄養療法はない

3. サルコペニア、老嚥による摂食嚥下障害に対する栄養療法

✓ 投与エネルギー量は、20~30kcal/kg(現体重)/日に設定する。

✓ 炭水化物の投与量は、健常高齢者と同等。

✓ 脂質は、骨格筋量の減少や運動負荷を勘案してやや控えめに設定。

✓ タンパク質は、1.0~1.5g/kgを目安に十分量を投与する。

✓ BCAAは有用な可能性があり、リハビリテーションの前後に摂取をすすめる。 ✓ ロイシン、ミルクプロテインに有用性があるかもしれない。

✓ ビタミンD700~1000IU/日(1.75~2.5μg/日)摂取で転倒リスクが減少し、筋量・筋力増大の可能性あり。

✓ ビタミンB6、B12もホモシスティン濃度が上昇し、有効な可能性。

✓ 抗酸化薬(ビタミンACEなど)や降圧薬ACE阻害剤が有用との報告もあるが、エビデンスはない。

✓ ホルモン剤(成長ホルモン、テストステロン、エストロゲン)の投与が有用な可能性もあるが、副作用の面から推奨されない。

✓ クレアチニン、HMB(βヒドロキシβメチル酪酸)、ω-3系脂肪酸なども検討されている

認知症と摂食嚥下障害(2016年4月29日)

認知症の摂食嚥下障害とは・・・

・ 認知症患者の摂食嚥下障害の有病率は、13~57%とされる。

・ 認知症患者は、病状の進行とともに摂食嚥下障害の合併が見られるようになる。

・ 老嚥の要因(摂食嚥下編参照)

・ 認知症の摂食嚥下障害の具体例

食べない、口を開けない

食べることを忘れる

食べるものが認知できない

食べるための準備(買物、調理など)ができない

食事に集中できない、中断する、停止する

他のものに気を取られる、固執する

他人の食事が気になる、とってしまう

食べ物以外のものを食べてしまう

食事の速度がはやい、口に詰め込む

お箸や食器が使えない、手づかみや直接口で食べる など

アルツハイマー型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

初期:

嚥下障害はほとんどない。

遂行機能障害として、食事の準備や買い物ができない、段取りができない。料理ができない。

先行期(認知期)の問題として、偏食、過食、食べたことを忘れるなどがある。

嗅覚障害がある。

中期:

軽度の誤嚥も認められる。

空間認知障害や失行、失認・失行により食物を食べる対象として認知できない、お箸や食器の使い方がわからない、食品の開封ができない、手で食べる、食べこぼしなど摂食行動の障害がある。この段階では、食事量がわからず詰め込みすぎて、ムセや誤嚥する可能性もある。一部には拒食症もある。

注意障害により、食器の模様に気を取られる、他のことに気を取られて食事に集中できない、他人の食事を食べるなどの行動もある。

後期・末期:

口腔顔面失行により、いつまでも咀嚼し続ける、口腔内に食物をため込むなどを認める。

さらに進行すると、嚥下障害から誤嚥性肺炎の合併を認める。

口腔乾燥も出現。

低栄養も合併し、サルコペニアもきたす。

レビー小体型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

認知機能の変動:

認知機能の低下している時を避け、覚せい状態良好の時に摂食をすすめる。

パーキンソン症状:

上肢の振戦や筋・関節の拘縮による食事の困難

筋拘縮による摂食嚥下の協調運動障害

ドーパミンの低下による嚥下、咳嗽反射の低下

顔面・口腔の不随意運動によるムセ

幻視などにより、拒食や食事中断がある。

抑うつによる食思不振

抗精神病薬の過敏性による誤嚥、食思不振

前頭側頭型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

初期:

大食いや偏食が起こることあり

常同行動により、いつも同じ時間に同じ場所で同じものを食べるなどへの固執があり

中期:

脱抑制や被影響性の亢進により、早食い、詰込みなどあり。何でも口に入れる口唇傾向もあり。さらに、立ち去りや中断などもみられる。

摂食介助への抵抗

後期:末期:

無為・無動の時間が増加し、開口困難やため込み出現

嚥下反射も低下しており、誤嚥のリスクが高い

血管性認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

皮質性血管性認知症(多発梗塞型):

注意障害、遂行機能障害、失行、麻痺による食事の口への取り込み、食塊の保持・形成困難、嚥下反射遅延

皮質下性血管性認知症(小血管病変型):

基底核症状によりドーパミンが低下し、嚥下・咳嗽反射の低下

局在病変型血管性認知症

障害部位による症状

 認知症の食事介助の実際

食事前の準備:

✓ 覚醒は良好か?

薬剤の副作用のチェック

環境、特に光環境の調節による覚醒の促し

コミュニケーションなどによる覚醒の促し

家族の訪問や介助などで覚醒の促し

睡眠・生活リズムの改善

✓ 体調不良や発熱はないか?疲れていないか?

バイタルサインの確認

視診、触診、聴診

✓ 排泄はすませているか?便秘や腹部膨満はないか?

便秘のチェック

✓ 食事であることが理解できているか?または、おなかがすいているか?

五感の活用

視覚…盛り付け、食器やテーブルクロスの色、「食べる」の文字、食べるイラスト、スタッフが一緒に食べる、スタッフのエプロン、マスコット、暖色系の使用

嗅覚…食欲をそそる香り

聴覚…揚げ物を上げる音、グラスの音など、心地よい音楽

味覚…濃い味

触覚…食材にふれる

好物の活用

記憶の継続性(なじみの食器やテーブル、いすなどの活用)

✓ 食べたい、または食べられるものが提供されているか?

食べたいものがあることで食事はすすむ

✓ 食卓に食べ物以外がおかれていないか?

シンプルに食事に集中

✓ 気になるものが周りにないか?食事に集中できているか?

注意を引く盛り付け、色彩

食欲をそそる香り

好きな仲間、スタッフ

食事前のルーティン

✓ 手洗いは大丈夫か?

✓ 口の中はきれいか?義歯は大丈夫か?

まず、食べる口をつくる

味覚障害、嗅覚障害はないか?

✓ 食事を嫌がっていないか?

かならず、一品は好物をいれる

思い出のある食事をとりいれる

食事の実際:

✓ 食べる姿勢はできているか?

足底はしっかり床につける

テーブルは肘の高さ

頸部はやや前屈

膝関節は90度屈曲

イスとテーブルの距離が適度

IMG3_0002_NEW図をクリックすると大きくなります

認知症のリハビリテーション栄養 若林秀隆編著 医歯薬出版株式会社2015年 より引用

✓ どのように食べていいかわからない

✓ どれからたべていいかわからない

コース料理方式

ワンプレート方式

弁当箱の使用

✓ 食具(おはし、スプーンなど)の使い方がわからない

食具をいつも同じ場所におく

食具を手渡す

おにぎり、サンドイッチなど食具を使用しなくてもすむ食形態にする

✓ 食器がみえない、食べ物がみえない

✓ 食べるペースが違う人がいないか?

✓ 他人の食事を食べる、邪魔をする

✓ 食事で遊ぶ

✓ 嚥下に問題ないか?

✓ 詰め込み、過食はないか?

認知症の栄養療法のエビデンス(ESPEN guidelines on nutrition in dementia 2015)(2016年4月29日公開)

◇認知症の栄養療法のエビデンス(ESPEN guidelines on nutrition in dementia 2015)

スクリーニング&アセスメント

1) 全ての認知症患者に栄養スクリーニングを施行すること。栄養不良を認めたら、栄養アセスメントを行い、適切な栄養療法を開始すること(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 認知症の診断時にスクリーニングを行うこと

・ 3-6ヶ月ごとにスクリーニングは行うこと

・ スクリーニングとしては、MNA-SFを推奨する

・ 適切な栄養評価ツールを用いる

The Aversive Feeding Behavior Inventory(AFBI、Blandford scale)

The Edinburgh Feeding Evaluation in Dementia Questionnaire(EdFED-Q)

The Eating Behavior Scale (EBS)

2) 頻回の体重の測定と記録を勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ エビデンスはないが、少なくとも3ヵ月ごとの測定と記録

経口摂取サポートの戦略

3) 楽しく、アットホームな雰囲気での食事の提供をすすめる(中等度のエビデンス、強い推奨)

・ 家での食事と同じ形態で摂取することで、食事量がアップし、栄養も改善する

・ 照明の工夫や音楽、みやすいテーブルクロスなどの視覚的アプローチも有効。

4) 個人の好みに応じた適切な食事の提供を勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 認知症患者の特徴的栄養不良パターンや推奨する総エネルギー量や栄養構成はない。

5) 食事を食べる気にさせ、そのサポートを行うことを勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 買い物から介入、食事時間にテーブルにつかせるなど。

・ 摂食介助や嚥下食の工夫など

6) 食欲増進薬物の使用は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 大麻やホルモン剤の使用は推奨されない

7) 介護者への認知症患者の栄養に関する基礎的問題やその介入法を教育すること(低いエビデンス、強い推奨)

8) 栄養不良の原因をできる限り排除すること(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 口腔ケア、歯科治療、嚥下訓練、基礎疾患、薬の副作用に注意

9) 食事制限はさける(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 腎不全など以外は、過度の減塩食、糖質制限、脂質制限は、高齢者、とくに認知症の栄養不良の原因となる。

経口サプリメント

 栄養素の欠乏に起因する認知症は、常にチェックして補充すること

10a) 認知機能低下の治療および進行予防目的でのω3系脂肪酸投与は推奨しない(高いエビデンス、強い推奨)

ただし、軽度認知機能障害には、有効な可能性はある。

10b) ビタミンB1欠乏のない認知症患者に、ビタミンB1投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10c) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンB6、B12、葉酸の投与は推奨しない(低いエビデンス、強い推奨)

10d) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンEの投与は推奨しない(中等度のエビデンス、強い推奨)

10e) 欠乏症のない認知症患者に、セレンの投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10f) 欠乏症のない認知症患者に、銅の投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10g) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンDの投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

経口栄養剤(ONS)

11) 栄養状態改善のために経口栄養剤の使用を推奨する(高いエビデンス、強い推奨)

12) 認知症の治療または悪化予防のための経口栄養剤の使用は推奨しない(中等度のエビデンス、強い推奨)

13) 同様に特別食の認知症患者への使用も推奨しない(低いエビデンス、強い推奨)

ただし、副作用は最小限なので、個別の対応は議論の余地がある。

14) その他の栄養素も認知症患者には推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

人工栄養および水分補給

15) 認知症患者への人口栄養および水分補給は、個別の予後や選択に基づいて決定する(とても低いエビデンス、強い推奨)

16) 回復可能な限定的要因で合併している経口摂取不良に対して、軽度・中等度の認知症患者には期間限定の経管栄養は推奨される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

17) 高度認知症患者には経管栄養を推奨しない(高いエビデンス、強い推奨)

18) 経管栄養の必要な軽度・中等度認知症患者で、経管栄養が禁忌または耐えられない場合には、静脈栄養も提案される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

19) 水分摂取不良の認知症患者には、危機的状況を克服するための静脈栄養は提案される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

20) 末期患者には、いかなる強制栄養も推奨されない(とても低いエビデンス、強い推奨)

災害情報サイト一覧 2016.04.16更新

震災関連の情報サイトのリンク集です。

2011年のものを更新しました。今後も随時更新していきます。

リンク承諾が必要なサイトにはご連絡いたしました。ご確認よろしくお願いします。また、リンク承諾の記載のないサイト、完全リンクフリーのサイトにはご連絡いたしませんでしたので、不都合がございましたら管理者までご連絡ください。

<政府関連>

◆厚生労働省 平成28年(2016年)熊本県地方を震源とする地震(リンクフリー)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431.html

◆内閣府 防災情報のページ(リンク報告済み)

http://www.bousai.go.jp/index.html

◆首相官邸災害対策ページ(リンクフリー)

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/h280414earthquake.html

◆医薬品医療機器情報提供ホームページ(リンクフリー)

http://www.pmda.go.jp/

◆国立保健医療科学院 保健医療関連情報 (リンクフリー)

http://www.niph.go.jp/topics/earthq_index.html

<学会関連>

◇日本内科学会 災害医療情報

http://www.naika.or.jp/saigai/

◆災害看護 命を守る知識と技術の情報館(兵庫県立大学大学院看護学研究科)

http://www.coe-cnas.jp/

◆日本口腔ケア学会 被災者の口腔ケア

http://www.oralcare-jp.org/saigaiji/index.html

◇日本感染症学会 災害と感染症対策

http://www.kansensho.or.jp/disaster/index.html

◆国立感染症研究所 感染症情報センター(リンクフリー)

http://idsc.nih.go.jp/earthquake2011/index.html

<マニュアル・実用書>

◆東邦大学メディアセンター 無料公開サイト一覧表(リンクフリー)

http://www.mnc.toho-u.ac.jp/sv/emservice.html

◆自然災害後亜急性期医療班活動マニュアル 国立国際医療センター病院長 近藤達也

http://www.nagaoka-med.or.jp/shizen_manual200510/04dai2bu.html

◆災害時(津波を含む)の感染症対策

http://blog.livedoor.jp/disasterinfection/

◆災害後挫滅症候群のマネジメント 西伊豆病院 仲田和正先生

http://www.nishiizu.gr.jp/intro/conference/h18/conference-18_08.pdf

◆日本登山医学会 低体温症

http://www.jsmmed-tozanigaku.sblo.jp/article/43830745.html

<被災者対応関連>

◆サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き(兵庫県こころのケアセンター)

http://www.j-hits.org/topics/attention.html

◆災害時地域精神保健医療活動ガイドライン(国立精神・神経医療センター)

http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/saigai_guideline.pdf

◆災害と障害者・病者:東日本大震災

http://www.arsvi.com/d/d10.htm

◆子供のPTSDに対する応急処置

http://ht.ly/4d67q

◆赤ちゃん、こども、大人のPTSDを防ぐ(保護者、学校、近所の人へ)

http://www.twitlonger.com/show/99gnlb

◆日本小児科医会 PTSDに関するリーフレット

http://jpa.umin.jp/kokoro.html

◇災害時の発達障害児・者の支援について 発達障害情報・支援センター

http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%99%82%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E5%85%90%E3%83%BB%E8%80%85%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/#_5392

◆ 東日本大震災による健康障害の予防・治療に関する学術情報リソース 京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻

http://www.server-system.jp/resource/index.html

◆ボランティアとこころのケア 日本赤十字社

http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/care1.pdf

◆災害時のこころのケア 日本赤十字社

http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/care2.pdf

◆高齢者災害時医療ガイドライン 日本老年医学会

http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/member/kaikai/koku_saigai-guideline.html

http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/member/kaikai/koku_saigai-manual.html

◇災害看護ケアの泉

http://info.coe-cnas.jp/mdawiki/index.php/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%B3%89%E3%81%A8%E3%81%AF

◇大規模災害リハマニュアル 大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会

http://www.jrat.jp/

◇大規模災害に対する備え がん情報サービス

http://ganjoho.jp/public/support/brochure/disaster_care_manual.html

<栄養関連>

◇災害時の栄養・食生活支援マニュアル

避難生活リーフレット           日本栄養士会

http://www.dietitian.or.jp/data/guide/

◇新潟県災害時栄養・食生活支援活動ガイドライン 健康にいがた21

http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/index.html

◆嚥下障害のある人のために(大阪府)

http://www.ousda.jp/news.php?eid=00955

◆アレルギーのある人のために(大阪府)

http://www.ousda.jp/news.php?eid=00954

◇災害時の食に備える おおさか食育通信

http://www.osaka-shokuiku.jp/syokusien/syokusien.html

◇災害時のこどものアレルギー 日本小児アレルギー学会

http://www20.atpages.jp/hospynst/wp/wp-admin/post.php?post=264&action=edit#

◆日本ラクテーション・コンサルタント協会 災害時の乳幼児の栄養

http://jalc-net.jp/

◆ラ・レーチェ・リーグ日本 母乳育児支援

http://www.llljapan.org/

◆厚生労働省 被災地での健康を守るために

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-img/2r98520000014v1g.pdf

2016年4月16日更新