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誰でもわかる、できる摂食嚥下障害マニュアル(東海摂食栄養フォーラム編)

Ⅰ. 誰でもわかる、できる摂食嚥下評価

1. 問診 

患者が無理なら、家族・介護者に確認。聖隷式嚥下質問表は、Aが一つでもあれば嚥下障害、Bが一つでもあれば疑い。

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食事中の異常 むせの増加、またはむせの減少
咳、咳ばらい、うがいをしているような声
水が鼻に抜ける、お茶や水分を飲まない
やわらかいものばかり食べる、こぼす
食事の時間がかかる、繰り返し嚥下をする
途中で疲れてやめてしまう
姿勢不良
いつまででも食物を含んでいる
一度に飲み込めないほど口に詰め込む
ペースが速い
食事に関心がない
食後の異常 口腔内の残渣、流涎、声が変わる、
胸やけ、胃液の逆流
その他の異常 咽・喉頭異常感、かすれ声
唾液を飲みこめない
つっかえ感
夜間の咳、痰の増量
体重減少
発熱、肺炎・気管支炎を繰り返す

2. 情報収集

1)主な症状

むせ:どういう食品でむせるか、食べはじめにむせるか、疲れるとむせるか

咳:食事中や食後の咳は多くないか、夜間の咳はないか

痰の性状、量:食物残渣はないか、食事を開始してから量は多くないか

喉頭異常感、食物残留感:部位はどこか

嚥下困難感:食物による差はあるか

声:食後に声の変化はないか、ガラガラ声ではないか

食欲低下:むせる、苦しいから食べないなど

食事内容の変化:飲み込み易いものだけを選んでいないか、食事の好みがかわったことはないか

食事時間の延長:口の中にいつまでも食べ物をため、なかなか飲み込まない

食べ方の変化:上を向いて食べる、汁物と交互に食べている、口からこぼれる

食事中の疲労:食事に伴う低酸素血症はないか

口腔内の汚れ:ひどい歯垢、食物残渣、口臭は口腔期の問題と関連があるか

体重減少、脱水、発熱:他の原因が不明なときは特に重要

誤嚥・窒息の既往

2)医師、看護師からの情報収集

・嚥下障害の原因となる疾患の確認(詳細はHP)

・発症経過月数:脳血管障害の場合0-3ヶ月

多発性脳梗塞の場合は発症1年以上経過しても要注意

・誤嚥性肺炎の既往・熱型

一度誤嚥性肺炎を起こしたものは反復して起こしやすい

・原因疾患を特定できないのに炎症反応値などが高いもの

・体重の増減…体重減少が継続しているもの

・服薬内容…抗てんかん薬・向精神薬・抗パーキンソン薬などは嚥下機能を低下させることもある(詳細はHP)

3)患者の観察

・呼吸状態:頻呼吸、無呼吸、努力様呼吸

・音声:ごろごろ・ゼロゼロ、ガラガラ声、声がれ

・会話明瞭度:1全てわかる(誤嚥率25%)

2時々わからない(誤嚥率30%)

3内容がわかっていればわかる(誤嚥率48%)

4時々わかる(誤嚥率50%)

5全くわからない(誤嚥率67%)

・精神機能:意識障害、発動性低下、注意障害の程度は?

・体幹・頸部の姿勢:安定しているか、前傾していかないか

・歯茎と頬の間や軟口蓋に食物がたまっていないか

・唾液嚥下時の咳・むせはないか

・流涎・頻回の排痰、自力排痰困難はないか

・頸部嚥下音聴診・肺野呼吸音聴取

3. 簡単な嚥下評価

(1)反復唾液飲みテスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)

患者に空嚥下を反復してもらい、嚥下反射の随意的な惹起能力を評価するスクリーニング法。

口腔乾燥がある場合には湿潤させてから空嚥下をしてもらう。

評価 30秒間に3回以上:正常

2回以下:問題あり

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BRAIN 2013年第1号. 医学出版

 (2)改訂水飲みテスト(modified water swallow test:MWST)

3mlの冷水を口腔内に入れて嚥下してもらい、嚥下反射誘発の有無、むせ、呼吸の変化を評価する。3ml嚥下可能な場合には更に2回の嚥下運動を追加し評価する。

評価 判定不能:口から出す、無反応

1a:嚥下なし、むせなし、湿性嗄声or呼吸変化あり

1b:嚥下なし、むせあり

2 :嚥下あり、むせなし、呼吸変化あり

3a:嚥下あり、むせなし、湿性嗄声あり

3b:嚥下あり、むせあり

4 :嚥下あり、むせなし、湿性嗄声・呼吸変化なし

5 :4に加えて追加嚥下運動が30秒以内に2回可能

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BRAIN 2013年第1号. 医学出版

(3)フードテスト

ティースプーン1杯の(3~4g)のプリンなどを摂食、空嚥下の追加を指示30秒観察する。

評価 判定不能:口から出す、無反応

1a:嚥下なし、むせなし、湿性嗄声or呼吸変化あり

1b:嚥下なし、むせあり

2 :嚥下あり、むせなし、呼吸変化あり

3a:嚥下あり、むせなし、湿性嗄声あり

3b:嚥下あり、むせあり

3c:嚥下あり、むせあり、湿性嗄声なし、口腔内残留あり

4 :嚥下あり、むせなし、湿性嗄声なし、口腔内残留あり追加嚥下で残留消失

5 :嚥下あり、むせなし、湿性嗄声・呼吸変化なし、口腔内残留なし

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BRAIN 2013年第1号. 医学出版

(4)パルスオキシメーター

摂食場面でのモニターとして使用する

評価 90%以下or初期値より1分間の平均で3%低下⇒摂食中止

可能であれば、VEにて再評価も必要

困った時は、専門家に必ず相談すること

☆ 誤嚥性肺炎のチェックポイント

✓ 食事中・後に、SpO2 低下

✓     〃    呼吸数増加・頻脈

✓     〃    声がれがある

✓     〃    顔が紅潮する

発熱がある

異常に汗をかく

✓     〃    むせる、咳をする、痰が汚い

✓     〃    のどがゴロゴロいう

✓     〃    気管支狭窄音が聞こえる

✓ 食事後に、口腔内に食物残さがある、においがする

✓    〃   舌が栄養剤の色、口腔内の糖強陽性

✓ 食事時間が長くなる、食後がつかれる

✓ 食事をいやがる、食事量が減る、好みがかわる

✓ 原因不明の発熱を繰り返す

 

Ⅱ. 誰でもわかる、できる安全な食事介助 

1)姿勢の工夫

①30度リクライニング位

・食べ物の取り込み、送り込みに障害のある人では30度にすることで重力の利用ができ、気管が上で食道が後ろになることから誤嚥が起こりにくくなる。

②頸部前屈

・頚部が伸展していると咽頭と気道が直線になり、気道が開き誤嚥しやすくなる。頸部前屈すると咽頭と気道に角度がついて誤嚥しにくくなる。

・前頸筋群がリラックスし、嚥下筋の働きがスムーズになり嚥下に有利に働く。

・枕を二つし、頚部が伸展しないようにします。あごから胸まで3-4横指が入るくらいが目安。

2)水分の摂取

液体はさらっとし、まとまりが悪く、咽頭に流れるスピードが速いため、誤嚥しやすい。粘度(とろみ)によって、まとまりをよくし、咽頭に流れ込む速度をゆっくりとすることで、嚥下の準備ができ、タイミングが取りやすくなる。

増粘剤のリスク:増粘剤は、①商品によってとろみのつき方が違う、②溶かす温度や時間、溶解方法によって硬さが変化するため、適切で均一なとろみが重要となります。

適切な濃度:一般的には、スプーンですくって落としたときに、軽く糸を引く程度が適切とされています。

3)一口量

・水のみテストやVF検査などの状況である程度予測するが、食物形態で異なります。

・少量の方が誤嚥しにくいが、感覚低下のある方は少なすぎる量では嚥下反射が誘発されないことがあります。

スプーンの選択は、小さく、薄く、平たく、柄の長いスプーンが最適。持ちやすく、滑りにくいもの。大きなスプーンでは取り込みしにくく、誤嚥しやすいので、はじめは小さなスプーンで開始し、徐々に能力に合わせて大きなものに変えていきます。

4)摂取方法                                                                             

複数回嚥下:飲み込む力が弱くなっている場合、一口に一回の嚥下では処理できないため、一口について複数回飲み込む事を促し、残留を防ぐ。

交互嚥下:違う物性の物を交互に摂取し、残留を除去する。キザミのおかずを摂取後、トロミ茶を飲む。特にべたつきやぱさつきのあるものを摂食後にゼラチンゼリーを与えると、口腔残留や咽頭残留がクリアされる。水分がのめる患者は、適度に水分摂取をすすめる。

傾き嚥下:舌や咽頭の片側麻痺・機能不全の患者に、健側肩にクッションを入れるなどし、「健常側を下、麻痺側を上」にし、食塊が重力に引かれ、口腔内の健側を通るようにするとスムーズに安全に嚥下できる。

横向き嚥下:咽頭の片側麻痺、片側の輪状咽頭筋弛緩不全、喉頭の片側切除の患者に、頭部を回旋することにより患側の梨状窩が閉じ、相対的に健側の梨状窩がひろくなって食塊が健側に導かれ易くなる。

息こらえ嚥下:飲食物を口に入れたら,鼻から大きく息を吸って,しっかり息をこらえて,飲食物を飲み込み,咳払いをする,あるいは口から勢いよく息を吐き出す.意識的に息こらえをすることにより,嚥下動作直前から嚥下動作中に声門を閉鎖する.遅延の間も声門を閉鎖する.

奥舌の上へ食塊を入れる。

発声・咳払いを促す

5)食器の工夫

先ず、食器を置くマットは、食器が滑らないものを使用、または滑り止めのついた食器を使用。食器は、傾斜がついて片側が深く、皿の口に返しがついているものや、食事量がわかりやすい目盛りのあるものなどがあります。食器はできるだけ、白飯が認知しやすい濃い色の食器を用いることも、先行期の障害患者には有用です。

6)介助者の注意点

・患者と同じ目の高さで介助する(患者が見上げることで、頸部が後屈しないように)。

・患者の覚醒を十分確認する。

・患者に食事への準備・自覚するタイミングを十分にみはからう。

・食物が口にある間と嚥下直後は話しかけない。

・摂食のペースを守るために介助者もゆったりとした態度で接する。

・材料名・料理名などを知らせ食欲促進に努める。

・介助する人が統一した方法で行えるようにする(ベッドサイドに摂取方法を掲示するなど)。

・激しい咳やむせ、呼吸の変化があったときには一時食事を中止する。

・疲労の様子を見ながら摂食をすすめる(30分くらいが目安)。

・食後すぐは体を起こしておく(逆流を防ぐため)。

7)認知症患者の食事介助(特に誤嚥予防)

✓ 覚醒は良好か?

薬剤の副作用のチェック

環境、特に光環境の調節による覚醒の促し

コミュニケーションなどによる覚醒の促し

家族の訪問や介助などで覚醒の促し

睡眠・生活リズムの改善

✓ 体調不良や発熱はないか?疲れていないか?

✓ 食事であることが理解できているか?または、おなかがすいているか?

五感の活用

視覚…盛り付け、食器やテーブルクロスの色、「食べる」の文字、食べるイラスト、スタッフが一緒に食べる、スタッフのエプロン、マスコット、暖色系の使用

嗅覚…食欲をそそる香り

聴覚…揚げ物を上げる音、グラスの音など、心地よい音楽

味覚…濃い味

触覚…食材にふれる

好物の活用

記憶の継続性(なじみの食器やテーブル、いすなど)

✓ 気になるものが周りにないか?食事に集中できているか?

注意を引く盛り付け、色彩

食欲をそそる香り

好きな仲間、スタッフ

食事前のルーティン

✓ 口の中はきれいか?義歯は大丈夫か?

味覚障害、嗅覚障害はないか?

✓ 食事を嫌がっていないか?

かならず、一品は好物をいれる

思い出のある食事をとりいれる

✓ 食べる姿勢はできているか?

足底はしっかり床につける

テーブルは肘の高さ

頸部はやや前屈

膝関節は90度屈曲

イスとテーブルの距離が適度

✓ どれからたべていいかわからない

コース料理方式

ワンプレート方式

弁当箱の使用

✓ 食具(おはし、スプーンなど)の使い方がわからない

食具をいつも同じ場所におく

食具を手渡す

おにぎり、サンドイッチなど食具を使用しなくてもすむ食形態にする

✓ 食べるペースが違う人がいないか?

✓ 他人の食事を食べる、邪魔をする

✓ 詰め込み、過食はないか?

 

Ⅲ. 誰でもわかる、できる嚥下調整食

1.嚥下調整食づくりで注意が必要な食材(例)

付着性において

注意するもの

l   のり、わかめ、おぼろ昆布のように口の中やのどに張り付きやすいもの

l   葉もの野菜の葉の部分やきゅうりのうす切りなど

かたさにおいて

注意するもの

l   肉の塊、いか、たこ、干もの、ごぼう、セロリ、りんごなど噛む力が必要なもの
 

凝集性において

注意するもの

l   固ゆで卵や焼いた鮭のように、口の中でまとまりにくいもの

l   ふかし芋、クラッカー、パン、クッキーのように水分が少ないもの

l   トースト、たけのこ、せんべい、サブレ、かりんとうのように噛むと口の中でばらけやすいもの

 

2.嚥下調整食づくりで調理時のポイント

  1. 下処理の段階で、皮を厚くむく。隠し包丁を入れる。下茹でするなどの工夫が必要である。
  2. 油脂類を加えて口あたりをなめらかにする。
  3. 素材同士をつなぐ「つなぎ」を活用する。
  4. (例:卵、山芋、里芋、牛乳、マヨネーズ等)

3.調理法別のポイント(嚥下調整食4レベル)

 

煮物

l   食材を厚めにむき、一口大くらいの大きさに切って、多めの煮汁でしっかりとやわらかく煮る。

l   煮汁にとろみをつける。圧力鍋を利用する。

揚げもの l   天つゆに浸す。食材は下茹でしておき、フリッターや天ぷらなどにする。また、揚げてから蒸す、天つゆに浸すなどの工夫が必要である。
炒めもの l   食材は下茹でしておく。調理の最後にあんを絡める。
蒸しもの l   調理の最後にあんをかける。
和えもの l   食材はやわらかく茹でる。葉ものは小さく切って和え衣であえる。

l   白和え、マヨネーズ和え、練りごま和えなどなめらかに仕上がるものと和える。

酢の物 l   酸味が強すぎないように調整する。すりおろした食材と和えると食べやすい。

 

4.嚥下調整食を美味しく料理するポイント(嚥下調整食4レベル)

①穀類〔ご飯の場合〕のポイント

ご飯のかたさは,対象者の障害の程度や好みに合わせる。卵かけごはんや雑炊などは汁を十分に吸わせると食べやすい。ご飯が食べやすいように,のり佃煮,梅干など美味しく食べやすい一品を用意する。ゼラチン粥は,程よいかたさ,食塊が形成しやすく食べやすい。

材料〔一人分〕米 50g 水 110g 介護用ゼラチン〔伊那食品〕 0,,8g

作り方:・米は洗って炊飯器に水と入れて浸漬する。・炊く前に,介護用ゼラチンを入れて良く混ぜ、粥モードで炊く。・途中でかき混ぜないと,介護用ゼラチンが釜の下のほうに沈殿するので15分に1回程度かき混ぜる。

②肉料理のポイント

肉は,良質のたんぱく源であるが,肉料理は噛み切りにくく食べづらいため工夫が必要である。脂身が多いほど嚥下調整食としては,使用しやすい。ひき肉は二度引きしたものが使いやすい。下処理時には,筋を切り包丁でたたく。切れ目を細かく入れ一口大に入れる。たんぱく分解酵素を含む生姜,パイナップル,キゥーイなどに漬け込む。揚げ物は,揚げた後にたれやつゆに浸してやわらかくする。

③魚料理のポイント

魚は,良質のたんぱく源であり動脈硬化を予防する効果があるといわれているDHA,EPAを多く含む。むつ,めばる,ぶり,はまち,したびらめなどは加熱してもあまり固くならないため利用しやすい。焼き魚は,早くから塩をすると固くなるので調理の直前にふる。ホイル焼きは,下ゆでした野菜などと一緒に包んで蒸し焼きにするとしっとりと出来る。煮魚は煮汁を多めに作りとろみをつける。

④卵料理のポイント

卵は,栄養バランスの良い食品で,スフレオムレツ,スクランブルエッグ,温泉卵,だし巻き卵,具なし茶碗蒸しなどは嚥下調整食に利用しやすい。しかし,固ゆでした卵黄やいり卵は,パサパサしてポロポロしているので食べづらい。卵は,料理のつなぎとして料理自体をやわらかく仕上げるため使用頻度は高い。

⑤大豆・大豆製品のポイント

大豆製品の中でも,絹ごし豆腐,充填豆腐,ひき割り納豆などは利用しやすい食品である。高野豆腐の煮物は,煮汁と高野豆腐が口の中で分かれるため誤嚥しやすいので汁にとろみをつけるなどの工夫が必要。

⑥野菜料理のポイント

野菜は,ビタミン,ミネラル,食物繊維が多いため積極的に使用したい食品である。いも類,かぼちゃ,にんじん,大根,玉ねぎ,なす,白菜,プロッコリーなどは嚥下調整食に向くが,ごぼう,たけのこ,蓮根等はやわらかく茹でて細かく刻んでとろみをつけるかピューレ状にして利用。

⑦果物のポイント

バナナは,フォークなどでつぶしてヨーグルトなどで和える。いちごやキゥーイの小さな種が義歯に挟まりやすいので小さく切りつぶす。酸っぱいかんきつ類は,むせやすい。すいかは,口の中で果汁と果肉が口の中でばらばらになると誤嚥しやすい。ピューレ状にして利用する。

嚥下調整食は、通常の食材だけでは栄養量が不足する場合がある。効率的に栄養量が確保できる市販品や冷凍の弁当など多数販売されている。スーパー等での販売でなく通信販売が主流である。

ヘルシーネットワーク  http://www.healthynetwork.co.jp/

クリニコ アクトケア    http://www.clinico.co.jp/ec/

明治栄養ケア倶楽部     http://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/products/purpose.html

ミールタイム        http://www.mealtime.jp/shop/items/care

あいーと  http://www.ieat.jp/

 

Ⅳ. 誰でもわかる、できる口腔ケア、嚥下リハ

1)在宅でできる口腔ケア

口腔ケア前の準備、確認

1. 体調の確認と声かけ、必要物品の準備

2、バイタルサイン

3、体位の確認と設定

体位:嚥下障害がある場合、最も安全な体位。本人がリラックスできるような体位を選択。

体幹固定:クッションやタオルなどを利用して、できるだけ体との接触面積を大きくし安定を図る。

頭頚部の位置:頸部が後屈していないか、可及的に前屈が誤嚥のリスクを下げる。片麻痺の場合健側を下にする。

4、リラクゼーション

口腔のみでなく全身的なマッサージやリラクゼーションを施行し、緊張を緩和する。開口が難しい方などは事前にリラクゼーション、マッサージなどを行うことにより筋緊張がほぐれる場合もあります。アロマテラピーや音楽など患者さんのリラックスできる環境設定も効果があるときもあります。唾液腺のマッサージなどで口腔内の湿潤状態を作ることができます。

5、頸部聴診

6、保湿

①口腔ケア前の保湿剤塗布

特に口腔乾燥が著明で痂皮が固着している場合は口腔ケアを行う10分程度前に保湿剤を塗布しておくことで痂皮が除去が容易になる。口腔乾燥などで接触により出血したり、痂皮が多く除去が困難な場合は、事前の保湿が効果的です。

②口腔ケア後の保湿剤塗布

口腔内の保湿感を維持させるのが目的である。嚥下機能が低下した患者の場合には、次回の口腔ケア時に前回の口腔ケア後に塗布した保湿剤の除去が必要になる。

口腔ケアの実施

1、口腔ケア

視野の確保:開口器やアングルワイダーの使用や片方の手を頬部の展開などに用いる。

開口の維持:開口維持が難しい場合、開口器や開口棒、歯ブラシにガーゼを巻くなど工夫する。K-pointの刺激や口腔周囲のマッサージなども有効なこともある。

アセスメント:口腔内を観察し、う蝕や腫れ、カンジダなどの問題がないかチェックする。特に口蓋や奥舌に汚れが残存していないか確認する。

用具の取り扱いの基本:含嗽剤入りの水分などにつけてからよく水分をきって誤嚥させないように行う。保管時はよく洗浄し柄の部分を下にする。

動きの基本:必ず奥から手前に、小帯を避けて動かす。力を入れすぎない。順番を決めてケアしていない部分がないようにする。

器具使用の順番:くるリーナやガーゼ、スポンジブラシなど大まかな汚れを取る器具から開始。歯ブラシ、タフトブラシ、歯間ブラシ、フロスと小さな器具で細かいところをケアする。 汚れを回収するためにスポンジブラシなど大きめの器具を用いることもある。

歯ブラシによるケア:ペングリップで歯ブラシを持つ。歯に垂直に毛先を軽く当て振動させながら歯を一本一本丁寧に清掃する。歯周ポケットには歯ブラシを斜め45度に毛先を入れるようにして行う。

歯間ブラシやフロスによるケア:単独歯や歯の間が広い場合はタフトブラシや歯間ブラシを使用。歯の間が狭いところはフロスを用いる。しかし、やりすぎると歯肉を傷つける恐れがある。歯間ブラシは適度なサイズを選択することが重要で、歯肉に過度な圧力をかけず使用。歯間部に挿入し角度を変化させながら数回動かす。フロスは歯に沿わせるようにして軽く、数回程度引き上げる。充填物や詰め物が引っかかる時は無理に引っ張らず、横に引き抜く。

2、吸引、含嗽

ブラッシング等の施行により口腔内に細菌が散乱した状態にあるため、含嗽ができる人は十分に行ってもらう。できない人や嚥下障害がある場合は丁寧に汚れを拭き取ったり吸引により汚れを残さないようにする。口腔ケア時に吸引器を用いながら行ったり、吸引器付きの器具、ガーゼなどで水分の垂れ込みを防止する。咳嗽可能な場合は頻繁に咳嗽を行ってもらうことも重要。

3、義歯の清掃

流水下にて義歯ブラシ等を用いて滑りがなくなるまで清掃する。義歯は夜間洗浄後、水分につけて保管することが望ましい。ただし、咬合の関係で夜間用の義歯を装着しておく必要がある場合もある。義歯洗浄剤の使用は部分入れ歯や総義歯など義歯によって種類を選択する。全部床義歯用の洗浄剤を部分義歯に使用すると変色することもある。

4、口腔ケアの時間や程度

特に口腔ケアにかける時間に規定はない。綺麗になるまで行うことが重要。患者さんによっては体力的な問題から、完全にきれいにする前に疲労が見える場合もある。体調や体力、1日の活動の中のケアの時間を考慮しながら行う。

口腔ケア後の確認、評価、記録、報告、連絡

1、ケア後のバイタルサイン、頸部聴診など

2、説明、関係職種への連絡

2)在宅でできる嚥下・呼吸リハ

1.嚥下体操

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2.氷を用いた嚥下訓練、アイスマッサージ

小さめの氷を口に含み,溶けてきた水を飲み込んでもらう.氷の口腔内保持が困難な患者では,氷をガーゼで包んでデンタルフロスで縛って保持するなど,氷が咽頭に落ち込まないよう注意する必要がある。または、舌根部から咽頭後壁を凍らせた綿棒に水をつけて刺激し,その直後に空嚥下を促す.

3.頭部挙上訓練(シャキア・エクササイズ)

1) 挙上位の保持(等尺性運動):仰臥位で肩を床につけたまま,頭だけをつま先が見えるまでできるだけ高く上げる.「1 分間挙上位を保持した後,1 分間休む」.これを3 回繰り返す.

2) 反復挙上運動:同じく仰臥位で頭部の上げ下げ(up and down)を30 回連続して繰り返す.

1)2)を1 日3 回,6 週間続ける.なお,喉頭挙上筋群を徒手的に鍛える方法が杉浦らによって報告されている.これは,額に抵抗を加えつつ,頸部を前屈させる方法.

4.ブローイング訓練

コップに水を入れ,ストローでぶくぶくと泡が立つように吹く.うまく泡立たないときには指で鼻をふさいで介助し,徐々に介助を減らしていくとよい.さらに,ストローの太さや長さを変える,コップの水の粘度を変えるなどによって,難易度を調整する.ストローでコップの水を吹くかわりに,ろうそくの火や細く裂いたティッシュペーパーを吹いてもよい.

5.プッシング・プリング訓練

1. 壁や机を押す,肩からこぶしを振り下ろす等のプッシング動作を練習.

2. 動作とともに強い発声をする.

3. ある程度,響く声が出るようになったら,徐々に動作を減らしていく.

プッシング動作のかわりに,椅子の底面や肘掛けを引っ張ったり,両手を前でつないで外方へ引っ張るというプリング動作でもよい.上肢の運動麻痺や認知障害の状態によって使いわける.また,声を出さずに強い息止めだけを行う方法もある.

6.ハッフィング

効果:誤嚥物、痰の排出を促し、気道内を清浄化する。

方法:最大呼気から、声を出さずにできるだけ速く息をはく。

7.腹式呼吸、口すぼめ呼吸

効果:換気量、特に吸気量の増大。気道内圧を高める。鼻咽腔、口唇閉鎖機能の強化。

方法:吸気は鼻から行い、腹部を膨らませ、呼気は口からゆっくりとはき、腹部をへこませる。(吸気:呼気 1:2~5)お腹の上に手を置くと腹部の動きを感じ取れる。(横隔膜呼吸)手で軽く抵抗を加えると、呼吸筋力強化にもなる。口をすぼめてはく。(ろうそくの火を消すように)

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会による訓練法のまとめ(改訂2010)より引用

末梢栄養点滴の考察(2016年7月24日)

80歳女性寝たきり 身長140cm 体重35kg 病名:老衰

この患者さんに、ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸輸液を有効に投与するために・・・
Harris-Benedictの式
BEE 860kcal 活動係数1.0 ストレス係数1.2  必要エネルギー量 1032kcal/日


データ1:
35kgの総蛋白質量 体重×16% 5.6kg 5600g その半分2800gが筋蛋白
1日の必須タンパク質喪失量 54mg/kg/日 体重35kgで1.89g/日 約2g/日
ちなみに、Gambleスタディ
タンパク質節約効果を期待するには、ブドウ糖100g/日が最低量 これで節約効果1/2
ブドウ糖はこれ以上投与してもタンパク質節約効果がないとされる
全くの飢餓でタンパク質400g/6日で喪失
すなわち、6日間で412gタンパク質喪失するので40.7日で筋蛋白質全て失うことになる
ブドウ糖100g投与(それ以上いくら投与しても同じ)で、
212g/6日タンパク質喪失(35.3g/日)
すなわち、80.3日で筋蛋白はなくなる計算
このデータとみごとに一致するのが、35kgの人が筋蛋白を維持するのに必要な蛋白質必要量は1g/kg/日にて35g/日


データ2:
非タンパク質カロリー窒素比 150の事実
すなわち、投与窒素が全て筋蛋白に使用されるためには、その他の栄養素(主に糖質)で150倍カロリー量が投与される必要があり。35gのタンパク質の総窒素量は5.6gなので
つまり、5.6×150で840kcal/日必要となります。
ビーフリード4本+20%脂肪乳剤1本でギリ(計800kcal)。ちなみに体重35kgに輸液2000mL施行する人はいません。体重35kgの高齢者に推奨する輸液量は×25-30mL
で875~1050mLですよね。

以上から、
ビーフリード1本(210kcal、ブドウ糖37.5g150kcal、タンパク質15g、窒素2.35g)/日の投与でタンパク質節約効果が期待できる人は・・・
必須喪失タンパク質2g/日+1日喪失予想タンパク質35g/日の合計37g/日をおぎなうために、投与タンパク質がすべて筋蛋白合成に使用される必要があり。そのためには、37÷6.25=5.92gの窒素×150=888kcalの非タンパク質カロリーを確保する必要があり、ビーフリード150kcal以外にタンパク質以外で738kcalを必ず経口摂取している(条件1)。
筋蛋白崩壊を1/2にするために、ブドウ糖100g投与が必須なので、62.5gのブドウ糖を必ず経口で摂取していること(条件2)
最後に、さらに22g/日のタンパク質を必ず経口摂取していること(条件3)
これらの条件を全て満たすには、定食を毎日1食欠かさず食べている患者さん、もしくは毎回食事摂取量が3割の人になります。それだったら、栄養ドリンクなら、エネーボ2本+α
そこまでのめたら、エネーボ3缶でコンプリート
もし、どうしても末梢点滴だけでなら、譲歩してビーフリード2本+イントラリピッド20%2本でもやはり難しい?

アミノ酸の有効利用は難しいですね。ご意見お待ちしています。

摂食嚥下障害患者に対する栄養療法(2016年4月29日)

1. 脳卒中患者の摂食嚥下障害に対する栄養療法

✓早期に経腸栄養を開始した患者(1週間以内)は、静脈栄養を行って経腸栄養の開始

が遅れた患者に比べて、6か月後の死亡率が低かった(42.4% vs 48.1%)。

✓経鼻胃管の口径は逆流には関係しないが、太いチューブは訓練に影響する。

✓PEGに関しては、発症後7~10日以内の急性期に行った群の方が、経鼻経管栄養を行った群よりも死亡率が高く、機能予後も悪かったという報告あり。これに対して、1か月後にPEG栄養を開始した患者は、経鼻経管栄養患者に比較して栄養状態も予後もよかったとの報告あり。したがって、PEGの実施は、先ず細径の経鼻経管栄養を行いつつ、嚥下訓練の効果をみながら、長期が予想される場合に1か月を目安に施行する。

✓亜急性期は経腸栄養を中心に栄養管理を行い、摂食・嚥下機能評価を行って安全に経口摂取に移行することを目指す。

✓慢性期は経口摂取への移行が望ましいが、経腸栄養が長期になる場合や摂食・嚥下障害が強い場合は胃瘻などを活用する(食べるためのPEG)。

✓急性期(発症から1週間以内)は、静脈栄養のみ。亜急性期(発症から3,4週間以内)の神経症状が安定するまでは、状態に応じた栄養管理とリハビリを開始する。発症後1ヶ月以降の慢性期は嚥下の評価を行い、長期方針をたてる。

急性期(発症または手術後3~4日)・・・脳浮腫がピークとなり、約1週間で軽快する。脳の治療を優先しながらPPNを行い、できるだけ早期より(3~4日目)経腸栄養を開始する。脳圧亢進などのために嘔吐が続くときには、経口摂取は避ける。

亜急性期(発症後または手術後3~4週間)・・・できる限り経口摂取を進めていくが、嘔吐や合併症のために困難な場合はTPN、摂食・嚥下障害があれば評価を行い、訓練を開始する。PPNから経口摂取、経腸栄養へ移行していく。

慢性期・・・神経症状が固定する時期で、意識状態や嚥下機能で栄養療法を決定していく。経口摂取が不十分であれば、ENを行うが、長期の場合にはPEGを考慮する。

2. 認知症の摂食嚥下障害に対する栄養療法

✔ 認知症患者の摂食嚥下障害の有病率は、13~57%とされる。

✔ 認知症患者は、病状の進行とともに摂食嚥下障害の合併が見られるようになる。

✓ 認知症の摂食嚥下障害の具体例

食べない、口を開けない

食べることを忘れる

食べるものが認知できない

食べるための準備(買物、調理など)ができない

食事に集中できない、中断する、停止する

他のものに気を取られる、固執する

他人の食事が気になる、とってしまう

食べ物以外のものを食べてしまう

食事の速度がはやい、口に詰め込む

お箸や食器が使えない、手づかみや直接口で食べる など

✓ 各認知症の病態に応じた対応(認知症の栄養管理参照)

http://www20.atpages.jp/hospynst/?page_id=1518

✓ 認知症の摂食嚥下障害に対して、特殊な栄養療法はない

3. サルコペニア、老嚥による摂食嚥下障害に対する栄養療法

✓ 投与エネルギー量は、20~30kcal/kg(現体重)/日に設定する。

✓ 炭水化物の投与量は、健常高齢者と同等。

✓ 脂質は、骨格筋量の減少や運動負荷を勘案してやや控えめに設定。

✓ タンパク質は、1.0~1.5g/kgを目安に十分量を投与する。

✓ BCAAは有用な可能性があり、リハビリテーションの前後に摂取をすすめる。 ✓ ロイシン、ミルクプロテインに有用性があるかもしれない。

✓ ビタミンD700~1000IU/日(1.75~2.5μg/日)摂取で転倒リスクが減少し、筋量・筋力増大の可能性あり。

✓ ビタミンB6、B12もホモシスティン濃度が上昇し、有効な可能性。

✓ 抗酸化薬(ビタミンACEなど)や降圧薬ACE阻害剤が有用との報告もあるが、エビデンスはない。

✓ ホルモン剤(成長ホルモン、テストステロン、エストロゲン)の投与が有用な可能性もあるが、副作用の面から推奨されない。

✓ クレアチニン、HMB(βヒドロキシβメチル酪酸)、ω-3系脂肪酸なども検討されている

認知症と摂食嚥下障害(2016年4月29日)

認知症の摂食嚥下障害とは・・・

・ 認知症患者の摂食嚥下障害の有病率は、13~57%とされる。

・ 認知症患者は、病状の進行とともに摂食嚥下障害の合併が見られるようになる。

・ 老嚥の要因(摂食嚥下編参照)

・ 認知症の摂食嚥下障害の具体例

食べない、口を開けない

食べることを忘れる

食べるものが認知できない

食べるための準備(買物、調理など)ができない

食事に集中できない、中断する、停止する

他のものに気を取られる、固執する

他人の食事が気になる、とってしまう

食べ物以外のものを食べてしまう

食事の速度がはやい、口に詰め込む

お箸や食器が使えない、手づかみや直接口で食べる など

アルツハイマー型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

初期:

嚥下障害はほとんどない。

遂行機能障害として、食事の準備や買い物ができない、段取りができない。料理ができない。

先行期(認知期)の問題として、偏食、過食、食べたことを忘れるなどがある。

嗅覚障害がある。

中期:

軽度の誤嚥も認められる。

空間認知障害や失行、失認・失行により食物を食べる対象として認知できない、お箸や食器の使い方がわからない、食品の開封ができない、手で食べる、食べこぼしなど摂食行動の障害がある。この段階では、食事量がわからず詰め込みすぎて、ムセや誤嚥する可能性もある。一部には拒食症もある。

注意障害により、食器の模様に気を取られる、他のことに気を取られて食事に集中できない、他人の食事を食べるなどの行動もある。

後期・末期:

口腔顔面失行により、いつまでも咀嚼し続ける、口腔内に食物をため込むなどを認める。

さらに進行すると、嚥下障害から誤嚥性肺炎の合併を認める。

口腔乾燥も出現。

低栄養も合併し、サルコペニアもきたす。

レビー小体型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

認知機能の変動:

認知機能の低下している時を避け、覚せい状態良好の時に摂食をすすめる。

パーキンソン症状:

上肢の振戦や筋・関節の拘縮による食事の困難

筋拘縮による摂食嚥下の協調運動障害

ドーパミンの低下による嚥下、咳嗽反射の低下

顔面・口腔の不随意運動によるムセ

幻視などにより、拒食や食事中断がある。

抑うつによる食思不振

抗精神病薬の過敏性による誤嚥、食思不振

前頭側頭型認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

初期:

大食いや偏食が起こることあり

常同行動により、いつも同じ時間に同じ場所で同じものを食べるなどへの固執があり

中期:

脱抑制や被影響性の亢進により、早食い、詰込みなどあり。何でも口に入れる口唇傾向もあり。さらに、立ち去りや中断などもみられる。

摂食介助への抵抗

後期:末期:

無為・無動の時間が増加し、開口困難やため込み出現

嚥下反射も低下しており、誤嚥のリスクが高い

血管性認知症の摂食嚥下障害の特徴と対策

皮質性血管性認知症(多発梗塞型):

注意障害、遂行機能障害、失行、麻痺による食事の口への取り込み、食塊の保持・形成困難、嚥下反射遅延

皮質下性血管性認知症(小血管病変型):

基底核症状によりドーパミンが低下し、嚥下・咳嗽反射の低下

局在病変型血管性認知症

障害部位による症状

 認知症の食事介助の実際

食事前の準備:

✓ 覚醒は良好か?

薬剤の副作用のチェック

環境、特に光環境の調節による覚醒の促し

コミュニケーションなどによる覚醒の促し

家族の訪問や介助などで覚醒の促し

睡眠・生活リズムの改善

✓ 体調不良や発熱はないか?疲れていないか?

バイタルサインの確認

視診、触診、聴診

✓ 排泄はすませているか?便秘や腹部膨満はないか?

便秘のチェック

✓ 食事であることが理解できているか?または、おなかがすいているか?

五感の活用

視覚…盛り付け、食器やテーブルクロスの色、「食べる」の文字、食べるイラスト、スタッフが一緒に食べる、スタッフのエプロン、マスコット、暖色系の使用

嗅覚…食欲をそそる香り

聴覚…揚げ物を上げる音、グラスの音など、心地よい音楽

味覚…濃い味

触覚…食材にふれる

好物の活用

記憶の継続性(なじみの食器やテーブル、いすなどの活用)

✓ 食べたい、または食べられるものが提供されているか?

食べたいものがあることで食事はすすむ

✓ 食卓に食べ物以外がおかれていないか?

シンプルに食事に集中

✓ 気になるものが周りにないか?食事に集中できているか?

注意を引く盛り付け、色彩

食欲をそそる香り

好きな仲間、スタッフ

食事前のルーティン

✓ 手洗いは大丈夫か?

✓ 口の中はきれいか?義歯は大丈夫か?

まず、食べる口をつくる

味覚障害、嗅覚障害はないか?

✓ 食事を嫌がっていないか?

かならず、一品は好物をいれる

思い出のある食事をとりいれる

食事の実際:

✓ 食べる姿勢はできているか?

足底はしっかり床につける

テーブルは肘の高さ

頸部はやや前屈

膝関節は90度屈曲

イスとテーブルの距離が適度

IMG3_0002_NEW図をクリックすると大きくなります

認知症のリハビリテーション栄養 若林秀隆編著 医歯薬出版株式会社2015年 より引用

✓ どのように食べていいかわからない

✓ どれからたべていいかわからない

コース料理方式

ワンプレート方式

弁当箱の使用

✓ 食具(おはし、スプーンなど)の使い方がわからない

食具をいつも同じ場所におく

食具を手渡す

おにぎり、サンドイッチなど食具を使用しなくてもすむ食形態にする

✓ 食器がみえない、食べ物がみえない

✓ 食べるペースが違う人がいないか?

✓ 他人の食事を食べる、邪魔をする

✓ 食事で遊ぶ

✓ 嚥下に問題ないか?

✓ 詰め込み、過食はないか?

認知症の栄養療法のエビデンス(ESPEN guidelines on nutrition in dementia 2015)(2016年4月29日公開)

◇認知症の栄養療法のエビデンス(ESPEN guidelines on nutrition in dementia 2015)

スクリーニング&アセスメント

1) 全ての認知症患者に栄養スクリーニングを施行すること。栄養不良を認めたら、栄養アセスメントを行い、適切な栄養療法を開始すること(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 認知症の診断時にスクリーニングを行うこと

・ 3-6ヶ月ごとにスクリーニングは行うこと

・ スクリーニングとしては、MNA-SFを推奨する

・ 適切な栄養評価ツールを用いる

The Aversive Feeding Behavior Inventory(AFBI、Blandford scale)

The Edinburgh Feeding Evaluation in Dementia Questionnaire(EdFED-Q)

The Eating Behavior Scale (EBS)

2) 頻回の体重の測定と記録を勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ エビデンスはないが、少なくとも3ヵ月ごとの測定と記録

経口摂取サポートの戦略

3) 楽しく、アットホームな雰囲気での食事の提供をすすめる(中等度のエビデンス、強い推奨)

・ 家での食事と同じ形態で摂取することで、食事量がアップし、栄養も改善する

・ 照明の工夫や音楽、みやすいテーブルクロスなどの視覚的アプローチも有効。

4) 個人の好みに応じた適切な食事の提供を勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 認知症患者の特徴的栄養不良パターンや推奨する総エネルギー量や栄養構成はない。

5) 食事を食べる気にさせ、そのサポートを行うことを勧める(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 買い物から介入、食事時間にテーブルにつかせるなど。

・ 摂食介助や嚥下食の工夫など

6) 食欲増進薬物の使用は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 大麻やホルモン剤の使用は推奨されない

7) 介護者への認知症患者の栄養に関する基礎的問題やその介入法を教育すること(低いエビデンス、強い推奨)

8) 栄養不良の原因をできる限り排除すること(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 口腔ケア、歯科治療、嚥下訓練、基礎疾患、薬の副作用に注意

9) 食事制限はさける(とても低いエビデンス、強い推奨)

・ 腎不全など以外は、過度の減塩食、糖質制限、脂質制限は、高齢者、とくに認知症の栄養不良の原因となる。

経口サプリメント

 栄養素の欠乏に起因する認知症は、常にチェックして補充すること

10a) 認知機能低下の治療および進行予防目的でのω3系脂肪酸投与は推奨しない(高いエビデンス、強い推奨)

ただし、軽度認知機能障害には、有効な可能性はある。

10b) ビタミンB1欠乏のない認知症患者に、ビタミンB1投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10c) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンB6、B12、葉酸の投与は推奨しない(低いエビデンス、強い推奨)

10d) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンEの投与は推奨しない(中等度のエビデンス、強い推奨)

10e) 欠乏症のない認知症患者に、セレンの投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10f) 欠乏症のない認知症患者に、銅の投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

10g) 欠乏症のない認知症患者に、ビタミンDの投与は推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

経口栄養剤(ONS)

11) 栄養状態改善のために経口栄養剤の使用を推奨する(高いエビデンス、強い推奨)

12) 認知症の治療または悪化予防のための経口栄養剤の使用は推奨しない(中等度のエビデンス、強い推奨)

13) 同様に特別食の認知症患者への使用も推奨しない(低いエビデンス、強い推奨)

ただし、副作用は最小限なので、個別の対応は議論の余地がある。

14) その他の栄養素も認知症患者には推奨しない(とても低いエビデンス、強い推奨)

人工栄養および水分補給

15) 認知症患者への人口栄養および水分補給は、個別の予後や選択に基づいて決定する(とても低いエビデンス、強い推奨)

16) 回復可能な限定的要因で合併している経口摂取不良に対して、軽度・中等度の認知症患者には期間限定の経管栄養は推奨される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

17) 高度認知症患者には経管栄養を推奨しない(高いエビデンス、強い推奨)

18) 経管栄養の必要な軽度・中等度認知症患者で、経管栄養が禁忌または耐えられない場合には、静脈栄養も提案される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

19) 水分摂取不良の認知症患者には、危機的状況を克服するための静脈栄養は提案される(とても低いエビデンス、弱い推奨)

20) 末期患者には、いかなる強制栄養も推奨されない(とても低いエビデンス、強い推奨)

災害情報サイト一覧 2016.04.16更新

震災関連の情報サイトのリンク集です。

2011年のものを更新しました。今後も随時更新していきます。

リンク承諾が必要なサイトにはご連絡いたしました。ご確認よろしくお願いします。また、リンク承諾の記載のないサイト、完全リンクフリーのサイトにはご連絡いたしませんでしたので、不都合がございましたら管理者までご連絡ください。

<政府関連>

◆厚生労働省 平成28年(2016年)熊本県地方を震源とする地震(リンクフリー)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431.html

◆内閣府 防災情報のページ(リンク報告済み)

http://www.bousai.go.jp/index.html

◆首相官邸災害対策ページ(リンクフリー)

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/h280414earthquake.html

◆医薬品医療機器情報提供ホームページ(リンクフリー)

http://www.pmda.go.jp/

◆国立保健医療科学院 保健医療関連情報 (リンクフリー)

http://www.niph.go.jp/topics/earthq_index.html

<学会関連>

◇日本内科学会 災害医療情報

http://www.naika.or.jp/saigai/

◆災害看護 命を守る知識と技術の情報館(兵庫県立大学大学院看護学研究科)

http://www.coe-cnas.jp/

◆日本口腔ケア学会 被災者の口腔ケア

http://www.oralcare-jp.org/saigaiji/index.html

◇日本感染症学会 災害と感染症対策

http://www.kansensho.or.jp/disaster/index.html

◆国立感染症研究所 感染症情報センター(リンクフリー)

http://idsc.nih.go.jp/earthquake2011/index.html

<マニュアル・実用書>

◆東邦大学メディアセンター 無料公開サイト一覧表(リンクフリー)

http://www.mnc.toho-u.ac.jp/sv/emservice.html

◆自然災害後亜急性期医療班活動マニュアル 国立国際医療センター病院長 近藤達也

http://www.nagaoka-med.or.jp/shizen_manual200510/04dai2bu.html

◆災害時(津波を含む)の感染症対策

http://blog.livedoor.jp/disasterinfection/

◆災害後挫滅症候群のマネジメント 西伊豆病院 仲田和正先生

http://www.nishiizu.gr.jp/intro/conference/h18/conference-18_08.pdf

◆日本登山医学会 低体温症

http://www.jsmmed-tozanigaku.sblo.jp/article/43830745.html

<被災者対応関連>

◆サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き(兵庫県こころのケアセンター)

http://www.j-hits.org/topics/attention.html

◆災害時地域精神保健医療活動ガイドライン(国立精神・神経医療センター)

http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/saigai_guideline.pdf

◆災害と障害者・病者:東日本大震災

http://www.arsvi.com/d/d10.htm

◆子供のPTSDに対する応急処置

http://ht.ly/4d67q

◆赤ちゃん、こども、大人のPTSDを防ぐ(保護者、学校、近所の人へ)

http://www.twitlonger.com/show/99gnlb

◆日本小児科医会 PTSDに関するリーフレット

http://jpa.umin.jp/kokoro.html

◇災害時の発達障害児・者の支援について 発達障害情報・支援センター

http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%99%82%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E5%85%90%E3%83%BB%E8%80%85%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/#_5392

◆ 東日本大震災による健康障害の予防・治療に関する学術情報リソース 京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻

http://www.server-system.jp/resource/index.html

◆ボランティアとこころのケア 日本赤十字社

http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/care1.pdf

◆災害時のこころのケア 日本赤十字社

http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/care2.pdf

◆高齢者災害時医療ガイドライン 日本老年医学会

http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/member/kaikai/koku_saigai-guideline.html

http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/member/kaikai/koku_saigai-manual.html

◇災害看護ケアの泉

http://info.coe-cnas.jp/mdawiki/index.php/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%B3%89%E3%81%A8%E3%81%AF

◇大規模災害リハマニュアル 大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会

http://www.jrat.jp/

◇大規模災害に対する備え がん情報サービス

http://ganjoho.jp/public/support/brochure/disaster_care_manual.html

<栄養関連>

◇災害時の栄養・食生活支援マニュアル

避難生活リーフレット           日本栄養士会

http://www.dietitian.or.jp/data/guide/

◇新潟県災害時栄養・食生活支援活動ガイドライン 健康にいがた21

http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/index.html

◆嚥下障害のある人のために(大阪府)

http://www.ousda.jp/news.php?eid=00955

◆アレルギーのある人のために(大阪府)

http://www.ousda.jp/news.php?eid=00954

◇災害時の食に備える おおさか食育通信

http://www.osaka-shokuiku.jp/syokusien/syokusien.html

◇災害時のこどものアレルギー 日本小児アレルギー学会

http://www20.atpages.jp/hospynst/wp/wp-admin/post.php?post=264&action=edit#

◆日本ラクテーション・コンサルタント協会 災害時の乳幼児の栄養

http://jalc-net.jp/

◆ラ・レーチェ・リーグ日本 母乳育児支援

http://www.llljapan.org/

◆厚生労働省 被災地での健康を守るために

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-img/2r98520000014v1g.pdf

2016年4月16日更新